で、結果は。
 左側の腸は、すごくきれいだったのに、右側の下の方に便がたまっていた。
 「もこもこと、真っ白になって写ってるでしょ。」
 先生は笑った。でもしばらくまた黙り込んで「ウーン、でもふつう、便秘って左側にたまるんですよね。何で右側の下にたまっちゃったかね。……。炎症が起きているから、右側にたまっている可能性もあるねえ。盲腸の部分が隠れちゃってよく見えない。」要するに「ウ○コのせいで見えない」んでしょ。私は情けなくなった。
 でも先生はだいぶ黙って、頭を抱えた後「ウーン……。やっぱり、炎症のせいかもしれないし、可能性が0ではないから、念のため、血液検査しますか。」と言った。「多分、そんな必要はないと思うけど、まあ念のためね。」と言って、血液検査をすることになった。「いつも2000代しか白血球ないですけど、大丈夫ですか。」と聞いたら「ウン、ウン、もし虫垂炎だったら、ちょっとくらいの量じゃない、ものすごく増えるからすぐわかるよ、大丈夫。」と言って、血液を採ってもらうことに。
 何だか、もう大丈夫なんじゃないかと思いつつ、自分のレントゲンを思い返して、時々笑いをこらえつつ、でも、もしかしたらという思いが頭から抜けなくて、しばらくハラハラドキドキしながら結果を待った。
 呼ばれていくと、先生の手元にある紙の白血球の数が、言われるより前に見えた。
 ……いつもと同じくらいだった。それを見た瞬間に私は笑ってしまった。「あっ、いつもと一緒ですね。」
 数値は2400。
 さらに先生は笑いながら言った。「炎症反応も0.0だよ。あっはっは。」

 ……あっはっは!!!

 で済んで、まあ良かったです。ただの腸炎でした。吐き気と併せて、胃腸炎と診断されました。
 診察が終わって、胃腸炎の薬をもらい、夫に電話したら「ああ。……そう。……じゃあ、僕、今日は忙しいから、またね。」と、アッサリ切られた。
 バカみたいだった、私。
 恥ずかしかった。レントゲンであんなにモリモリ写るなんて。
 まあ、何事もなくて良かったです。
 帰宅後、積み重ねた本を、すごすごと、でも晴れやかな気持ちで片づけました。