さて。しばらく、心のことについて、心理学や脳のことについて書いていないが、興味が薄れたのではない。もちろん、今でも、探究心が湧いて湧いて。もっと色々なジャンルの本が読みたいのに、今の所、そんな本ばかりで時間が過ぎてしまう。
 昨年は、「メンタルケア・アドバイザー」の通信講座を終えて、今年は「チャイルドケア・カウンセラー」や「家族療法」を勉強中。来年は、ネットについての心理を勉強したいと思っている。さらには、もっと知りたいことがあって、それについては、本からではなく、自分で調べていきたいなという気持ちを持っている。
 ただの趣味のように始めた、人の心についての勉強。
 きっかけは、今まで書いたように、色々とあるのだが、大きな流れで言えば、自律神経失調から母子関係を考え、息子の2歳の激しい反抗期で親子関係を考え、そこから自分が子供の立場としての親子関係を考えることになり、過去の自分を振り返ることで辛くなる時期が8〜9年程続き、その間に、他人の親子関係も気になってしまい、家族関係のことを勉強して、少年犯罪心理についての本を読んだり、ある裁判を追ってそこに至る家族関係を自分で分析してみたり、脳についての勉強をしたり。あらあらと気が付けば、読んだ本は百冊を超えていた。
 で、最初の頃とあきらかに違う気持ちなのは、自分が引っかかっていることのうちの一つは、だいぶ克服できたということと、もう一つ、大きなことは、人のカウンセラー的立場というのは簡単になれるものではないと強く思っていることである。
 10年程前、帰国子女のカウンセラーがあるのなら、そういうのになりたいと思った。でも、今の土地に引っ越してきて、帰国子女がほとんどいない土地柄で、それは実現できないとわかっていった。知り合いのカウンセリングとかできないものかと思ったけど、知り合いは難しいと知った。それをいくら本とか文で読んでみても、「そういうもんかな?」と思っていたが、実際、相談に乗るとよくわかった。親しい相手には、つい感情が入ってしまう。中途半端な知り合いだと、今後のつきあいもあり、変に気を使う。まったく知らない人に対しては、すぐに好き嫌いの感情が入ってしまい、私の性格上、向いていないと思った。専門の機関で勉強をし、そういう研修を受け、少しずつ経験を重ねていくものなのだろうが、そこまでするエネルギーも経済力もない。自分で働く体力もない。軟弱者であることは、生まれつきなので、ほんの少し丈夫になることを期待して、頑張って体力向上を目標にしているのが関の山なのだ。
 読んだ本が多ければ多いほど、自分の気持ちの自信となり、他人へのアドバイスになるための経験となるのではと思っていたが、それも違った。鈍い私は、70冊くらい読むまでは、その数を気にして、もっと本を読もう、もっと色々知って自信につなげようと思ったが、「いやあ、カウンセラーって難しいもんだね」と表面的に思う気持ちも消えていき、心からそう簡単になれるものではないと思っている。それは、資格試験とか、学問的なものとしてだけでなく、自分の気持ちとしてである。
 カウンセラーという職業が、いかにすごいものであるか、ようやく少しわかった。