テレビやアニメに関して、発達や心理関係の本を読み、勉強した上で、堂々と「ある程度、年齢に応じたものなら見せて良い」と言える。下品だと思うなら、こういうことはしちゃいけないよと教えれば良い。でも、笑っちゃうよねっていうこともあるだろうし、世の中はそういう人や子供が結構いるよってことも。さらに、そういう下品なことをする人や子供でも、本質は温かかったり、優しい部分があったりして、それとこれとは別だという、そこを見抜く目も養ってもらいたい。許容されない範囲も含めて話し合いたいです。
 あとは、下品とかじゃなくても、暴力的なシーンですね。
 わざわざ暴力的な場面など見せなくて良いと思っているし、私もあまり好きではないので、自分から進んで観るとか観せるということはしない。でも、戦隊モノなんかは、私も物心ついた頃から、兄と一緒に観ていたので、子供がもし観ていたところでビクともしない。ああいった番組は、暴力的なシーン以上に、正義感とか、優しさとか、哀しさとか、色々な感性を刺激する。何かを読んだり観たりした時に、本質を感じることのできる子であってほしいと強く思う。感性を育てるのは家庭である。どう思ったか、どう感じているかというのは、親子のコミュニケートとして大事なところである。
 暴力的なシーンに関しては、ニュースでも、衝撃的な映像が流れることもあるし、どうしても避けられない時だってある。子供は親の反応を見ているそうだから、その時にきちんと、自分の感情や感想を示せば良いはずだ。
 少年犯罪心理の本を手に取って読んでみることがある。又、私には理解の域を超えた事件が起きた時の裁判の記事を追ったりして、そこの家庭をのぞき見る。家庭にまったく問題のない人などいない、というのは当たり前だが、彼らの家庭の共通点は色々と見つかる。
 ある事件で、暴力的な映画を好む子供が、毎日のようにその映画をビデオで繰り返し観ていたということを知った。親はそれを知っていたという。その映画自体、それのみが悪者であるということはないだろうが、私はその映画の暴力的なシーンがあまりにショッキングで好きではない。なので子供が観ると言った時点でまず嫌がる。何故観たいのか聞く。そして、好んでいるとわかったら、どういうところなのか聞く。暴力的なシーンをどう思うのか聞き、自分の意見を言う。徹底的に話し合いたいところである。毎日のように観ることで、日常化していき、脳がどういった反応を示すかもきちんと教えたい。
 何故そこの親は、それを毎日のように観るその子を知っていながら野放しにしていたのか。そこには、コミュニケーションが存在していなかったのではないだろうか。ちょっとした会話はあっても、本当のコミュニケートはできていなかったのではと思う。
 「アニメは下品だから観せない」と私の友達に言ったその人は、そういう場面が出てきた時に、子供にどう説明して良いか自信がないのではないかなと思っている。それは、つまり、子供と会話ができていない、向き合えていないということなのではないだろうか。