漫画『宇宙兄弟』が、アニメ化された。ちょっとガッカリだ。
 というのは、声のイメージである。声優さんに罪はないし、若くて張りのあるいい声だと思うけど、どうにも大好きな主人公ムッタの声のイメージは、ああではない。あれで何かガッカリしちゃうのだ。それに、漫画で想像する動きのおかしさが、アニメで具体的に目にすることになると、ああ、なんかそんなじゃないんだよと思ってしまう。じゃあどんなだと言われたらわからないんだけど。
 なにはともあれ、主題歌がユニコーンなのだ。バンザーーイ!!(この文を書いたのは、アニメが始まった頃で、結構前です)
 なんでも作者の小山宙哉が、ユニコーンのファンらしい。良いぞ良いぞ!
 さて、アニメでオープニングからエンディングまでじっくり観たこともなかったので、CD発売を楽しみにしていた。テレビで先に聴けば良いのかもしれないが、何だかそういう気持ちにはならないものだ。
 で、感想は「良かったー!!!!!」
 再結成前の、昔のユニコーンを思い出す。オープニングの軽やかさと、途中からの変調の仕方。その時の全体のもわもわ〜んとした雰囲気。でも、全体に強くて重めのロックな感じは、今のユニコーン色が強い。結局こういう曲の流れが一番ラクに作れるのかなあと思いつつ、細部にこだわりを見せて、力強さも忘れないというのが、現在のおっさんながらカッコいいユニコーンである。
 聴きながら一番ホレボレするのは、川西のドラムである。いつもの、特徴ある強くて乾いた音で、かなり気持ちよくパシパシやってくれる。彼はちょっと体が小さめなのがまた良いですね。あの体からこのエネルギー!と思うと、カッコよくて仕方ない。この曲に関しては、入り方も、途中のリズムやハイハット、シンバルの使い方も、カッコいい!!前奏のところで惚れ惚れし、バスドラムを目いっぱい使ってお腹にくる振動を楽しんでいると、「うさぎに負けず高くとぶのさ〜」と「我々は〜」の間がまたすんごいカッコいいのだ。音も川西全開。目がハート型ならぬ、耳がハート型である。耳が。気持ち悪い。ドラムの音を聴きたいがために、何度も何度も繰り返し聴いているようなものだ。
 メイキングを観ていると、奥田民生が最初の「ああ」を迷いながら、前奏が始まっているのを聴きつつ「わあ」にしようと何となく決めて「わあ」で歌い出し、結局それで通っているところがまた良いのである。歌いっぷりは相変わらずカッコいい。最期の方、普通の人なら間が持たない感じが、奥田民生だからカッコよく仕上がっているようなものだ。
 阿部が「われわれは」とやってるところなども、いつもながら皆、楽しそうに映っている。そして、彼の作る曲の和音が良いことを実感する。ドラマチックで気持ちの良いメロディラインと、キーボードをする人だからか、和音がとても心地よくて私はその和音を知りたいがために、スコアブックを買ってしまった。バイオリンなど弦楽器の音も効果的に入っていて、曲全体に深みを増している。
 良いなあ良いなあ。また新曲出して、アルバム作って、そしてツアーやってほしいなあ。そろそろ息子も行って楽しんでくれそうなのでーー。