まだまだ幼い頃の恋愛を思い出し、でもその気持ちは鮮明で、ほろ苦い思いをしながら観つつ、今のダンナとの出会いにまで思いを馳せました。
 ダンナと出会った頃、20代半ば。出会う男性、皆、恋愛の対象となり得るか、結婚の対象となり得るか、と思って接していた時期だ。
 ダンナと出会った時、お互い無愛想な印象を持ちながらも、友達のはからいでデートに行った。でも、お互い変な期待を持ってはいけないと、私は半ばヤケクソだった。それまで、友達を介してや仕事などの人間関係で、自分が「岡村靖幸の音楽が好き」ということは、伏せていた。その時の男性陣の反応は、大体さらにその過去の経験でわかっていたからね。岡村靖幸の曲って、公の場では(笑)好きって、女性からは言わない方が良いのねと。「音楽」のカテゴリーで書いたけど、そう思って言わずにいたのを、ダンナとの最初のデートで、「お互い期待せずデートに臨みましょう」との意味をこめ、「岡村靖幸の曲が好き!」と言ったのが、ダンナとおつきあいする、最初のきっかけだったでしょうか(笑)。
 私は、サブカルチャーに、特別興味があるわけではなく、詳しくもない。でも、嫌いではないんです。結構好奇心でのぞいています。ダンナの、その類の話も面白い。ダンナは、世に言うオタクでもないけれど、興味を持って色々知りたがる。私はその中の「面白いよ」をさらに良いとこどりしている感じです。そういう所で「合わない」とは思っていない。
 音楽に関しても、「岡村靖幸」から入り、奥田民生を教えてもらい、私が入りこんだ。音楽の趣味がどっぷり共通するわけじゃないけど、割と「わかるわかる」ところがある。映画にしても、マンガにしても、肝心な所は知っておきたくて、でも「勉強」しているわけではない(笑)。聞いてもすぐ忘れちゃうし。でもやっぱり面白いから首を突っ込む。
 『モテキ』を観ると、幸世は、そういう自分の趣味と合う相手を彼女にできた方が良いと思ってきたようで、美由紀も精通しているようだ。そういうのを見ていると、やっぱりそういう趣味って、少しは合った方が楽しいかも?!と、そんな風に思わせる映画だ。
 結局、自分の過去の恋愛での気持ちも含め、ダンナとの付き合いも含めて、自分の恋愛観が浮き彫りになって露わになっちゃうって感じですね。イタくはないです。観終わった後、ダンナと男女の恋愛について、色々話して笑って、そういう話を改めてしてみると、結構、お互い、新鮮で面白いんです。
 ちなみに、私のお気に入りの場面は、ミュージカルばりに、突然踊りだすところだ。恋した瞬間て、こんな浮かれた感じになって、踊り出したくなる。そして、街中の人が優しく見えてきて、皆が応援しているように感じてしまう。このシーンを撮った時の、パフュームの皆さんの感想も覚えているが、そう、森山君て、踊れるのねー……と、ウィキペディアで、彼の経歴をつい確認してしまうのだった。
 そして、「幸世君」は、決して嫌いなタイプではないけど、好きなタイプでもないので、この映画を観終わっても、森山君のファンにはなりませんでした(笑)。でも、これから何かで見かけたら好意的に応援してあげたいなーと思います。こういう考え方って、きっと映画の幸世君のイメージがバッチリついたってことで、きっと演技が上手なんでしょうね。