映画『モテキ』を観ました。
 ダンナが観よう観ようと、かなり粘り強く誘ってきたので(笑)観ることになった。
 この映画は、テレビドラマが先にある。そしてその前に、マンガである。マンガを買ってきたのもダンナ。漫画も好きなダンナである。このマンガが面白いのは、少年漫画雑誌に掲載されていて、青年が主人公の恋愛物なのに、描いている人が女性であるという点だ。確かに、青年マンガの恋愛モノにありがちな、女の人がヤケにエロちっくな感じだとか、すんごいスタイル抜群だとか、そういうのがない。主人公の男の子の心情が細かく描かれながらも、女の子の感じがヤケにリアルなのだ。久保ミツロウという人が描いている。不思議な感じだなーと思っていたら「そんな名前にしてあるけど、描いている人が女の人なんだよ。面白いでしょ?」とダンナに言われた。なるほどねぇ。
 そして、それがドラマ化された。両方を見ると、比べられるのがまた面白かった。ここの場面をああいう風に見せるんだね。あそこはカットなんだね。このキャラはマンガの方が良い感じ。この人はドラマの方が好感が持てるよね。あの役にあの俳優持ってきたかー!なるほどー!などなど、大いに楽しんだ。しかし、キスシーンがどれも長い!もう良いから〜ってくらい長い!ダンナも私も「なんて生々しい。」と、苦笑いしてしまう場面も多々だったが、全体的に面白くて、毎回を楽しみにして観ては、ダンナとアレコレ談義した。
 そして、マンガよりも、何だかちょっと消化不良な感じで終わったドラマ。その続編を映画にしたという。もちろん、原作者の久保ミツロウさんと、ドラマを作った大根仁さんという人とで作った映画である。
 そもそも、「モテキ」という言葉が、馴染みのあると、ない人とがいるだろう。40になった私も聞いたことがある「モテキ」、それは「モテ期」というもの。人生で1度は経験するとかしないとか。私には、そんなものなかったけど。細々とダラダラと、誰か彼か、男女問わず好きだと打ち明けてくれる人はいたものだ。ダラダラと幼い頃からずっとなので、突然誰か彼かと大勢に言い寄られることもない。入れ代わり立ち代わり言ってくれる人がいる時期があったとしても自分も好きとは限らないし、あくまでも「細々」なもので。自分が好きな人にはモテない、とかさ。なんというかね、好きになりそうな人がいたら、もうそれ以外の人に気持ちを奪われそうとかあんまりならない。そんな思いをしたことは特別ないんじゃないかなあ。
 で、映画のことを簡単に言えば、主人公の、最近で言う「草食系」ってタイプの男の子に、モテ期がやってくるという話だ。その、主人公を、森山未來が、ドラマの時から見事に演じている。ご本人は、芯の強そうな男性ですが、ここでは、「世間で言う草食系ってこんな感じ?」を、見事に演じている。卑屈で自信がなく、あともう一押しを頑張れない。すぐ何かを言い訳に逃げようとする。若い頃なら誰でもありがちだけど、何もそこまでっていうくらい、やっぱりつい頭をかすめる「男のクセに」ってやつ。
 この映画は、こうやって感想を述べていくと、つい恋愛に関して、男女との関係について、自分がどう思っているかを、すごく表沙汰にされちゃうような、そんな作品なのだ。