息子の水泳記録会というものがあった。(※これまた一年ほど前の文です。)
 毎年、小学校で、どれだけ泳げるようになったか、父兄の前で見せるものである。
 息子は、私の意に反して、決してスイミングスクールに習いに行こうとしない。一度、興味を持って見学に行ってみると、「絶対行きたくない!」と行かない方に強い気持ちを抱いたようで、行きたいと、二度と言ってくれなくなった。
 私は、幼い頃からプールに慣れ親しみ、アメリカでもスイミングスクールに行き、帰国後もスクールに通った。先生が気に入らないとか、教え方がいやだと言えば、水泳が決して嫌いになったわけではない私の気持ちを思って、母はスクールを変えてくれた。
 それで、四泳法はマスターできなかったけれど、そこそこに泳げるようになった。
 息子もプールが好きなようなので、是非と思っていたけど、スクールだけは、首を縦に振らない。それに、学校から帰ったら、グッタリ、とか、ストレス解消に私と遊んだり、泣いたりする息子を見て、習い事は、余程本人の「やりたい!」という意志が強くない限り、やらせられないとあきらめていた。別のカテゴリーで書いているが、今も、土曜の休みの日に、午後からのんびりドラムに行く、というのが性分に合っているようだ。
 プールの中で遊ぶのが決して嫌いではない息子と、幼児期からしょっちゅうプールに行っていたが、小学校一年の時に、顔をつけて「だるま浮き」ができるとか、その程度で、当時の水泳記録会には、風邪で出られなかった。全然泳げなかったので、別に良いんじゃない?と思っていたし、むしろ、泳げない自分にガッカリして、帰ってからグズられるより良いか、くらいに思っていた。
 小学二年の時には、数メートル泳ごうという感じには見られたが、記録会の時にはあっという間に顔を上げて、結果2メートル。一応、記録には3メートルと、お情けで書いてくれていた。もちろん息子の性格上、帰宅後、大グズリ。
 そして、今回。時々、週末にプールに遊びに行くと、合計にして15分位、夫や私に泳ぎ方の練習を見てもらうという程度。でも、本人がやる気になった時だけ、一生懸命ああしたら、こうしたらと話した。あんまりうるさく言うと、すぐグズグズしてきてやる気を失くすので、言いすぎないよう気を使ったり、グズグズしてきたりやる気を失くしたりしたら、すぐにやめて遊ぶようにしていた。そうこうしているうちに、少しずつ泳ぐ長さをのばしていった。5メートルは泳げるね、と少し良い所を見つけて誉めているうちに、本人もやる気になってきたらしく、教わろうとしてくれた。まあそれでも、1時間遊ぶとして、練習は合計にして15分位、っていうのは変わらずでした。