夫が初めて運転してみた後ろに乗っていると、すれ違うプリウスを見て「あの人、プリウスを運転できるんだ。スゴイな。」と感心してしまった。私にはもしかしたら運転できないかもしれない。
 ……ん?この感覚、なんだ?
 あっそうだ。教習所で練習していた頃、道行くドライバーを見て「皆、運転してるなんて、スゴイなあ。私、この仲間入りができないかも。いや、しなくちゃいけないんだけど。」と思った時のこと。
 身体も少し元気になり、数日後には、私も運転することに。運転しないと、このまま怖がっちゃって、極力運転しなくなるぞと思い、気合を入れ「私も運転する!」と宣言した。
 まず、夫が冗談で言っていた「この車のカギは、お守りだから!」という意味がわかった。だって、カギを開けた覚えもないのに、ドアが開くんだもん。でも、持ってないと、開かない。そしてカギをささずにエンジンかかるから、そのカギをただずっと持っているだけだ。確かにお守りだ。
 そして、いよいよ運転席へ。
 座席の高さを調節しよう!とか、色々教えられたことを意気込んでやってみようとしたけど、意外と、そんなことをしなくても良くて、今まで通りだった。そんなにダンナとやたらに座高が違うわけでもなく、ただ、前後にズラして、シートの角度を調節っていう、いつのも動作と同じだった。シートベルトをし、バックミラーを合わせ……。
 何するんだっけ。
 あっ、ボタンね。押すのね。レバーの手応えもなく、エンジンのブルブルとかゴーとか振動や音が一切せず、ただドライブモードにして、スルスルと車は動きだす。
 わっなんじゃこりゃー!
 慌ててブレーキを踏むと、ガツンと止まる。そう、この、アクセルとブレーキの踏み具合、結局こういうヒジョーにシンプルな所が、なかなか慣れなかった。レンタカーの時と同じ。他の車を運転した時に、アクセルとブレーキの具合に慣れるのに少し時間がかかりますよね?結局大事なのはそこだったんです。そこは、一度、高速道路を含め、1時間ほど運転したら、だいぶ慣れました。
 色々他に違和感はある。スピードメーターは、数字より針の方が、私は好みです。少しずつスピードが出ているのか、落ちてきているのか、踏み具合とエンジンの音と針の動きで大体わかるのが、パッと数字を見ただけでは、わかりにくい。