息子のことについて、私は正直、まったく理解できないことが多い。以前も書いたことがあるけど、性別を超えて、人間的にね。その、機嫌の良し悪しの波が激しいこともそうで。私は子供の頃、あまり機嫌の波が強くなかった。そりゃ、まったくないわけじゃないし、抑えていた部分や無感覚にならないとやっていられないような、帰国子女として文化の違いからきたショックはあった。とはいうものの、学校でのストレスを、家で発散させるという方法は考えていなかった。
 物ごころついた頃から、家の中でグズグズ言う、ということもあまり記憶にない。従妹が、親に向かってグズグズ言うと「わがままだなあ」くらいに思っていた。でも、従妹の方が自然なのかもしれない。私も、自分を主張してグズっておけば、もう少し息子の気持ちがわかったんじゃないだろうか。グズっておけば良かった、とさえ、今は思う。
 私には、兄がいて、家族の中で一番下だったから、とにかく周りの人の言うことに従ってはいたが、それでも、従妹のように、ちゃんと主張する子はするだろうし、私はあまり物事に対してどうこう思わなかった。人についていけば良いんだーくらいに思っていた。その辺がそもそも違うのだろう。他力本願で、自分が何をしたいのか、よくわかっていなかったんじゃないかな。そんな私でも、7歳頃に帰国した当初は、日本の文化を理解しようと必死だったわけで、その周りと自分とのギャップが恐怖に感じるくらいで、無感覚にならないと暮らしていけないとは感じていたけど、やっぱりそのストレスを誰かにすぐ向けたいという気は起こらなかったんですね。性分としか言いようがないのかもしれません。
 息子がグズることも、泣いてからんでくることも、時間が足りないことに対しての不満も、宿題がどうしてもいやな気持ちも、私には、残念ながらわかってあげられない。何でそんな風にグズるの?何そのグズり方。何でそんな風にしか発散できないの?何で時間がないことがそんなに不満なの?何で宿題がそんなにいやなの?何でなんで……?と、ダンナに疑問をぶつけていたら「僕はミツじゃないから知らないよ!」と怒られちゃいました。
 ガーン。ショック。
 不思議でならない、私とは違う部類の人たち。湧いて湧いてしょうがないそれに対する疑問(笑)。でも。私のこういうところが、私と違うタイプの人たちをいら立たせるのかもしれない。兄も母も、これでイラ立たせてきたことがある気がする。もしや、私にも問題があるのでは。そう思うと、またわからなくなってきてしまった。
 何で私って「何で?」ってすぐ聞くんだ?(笑) 自分で考えてもわからないから、じゃあ何でも聞いたら良いというわけではないよね。
 これに関しては、母に聞いてみよう。
 私の息子が3歳頃に「どうして?」「何で?」という質問攻めの時期に、確か、母は「佳澄も、何で何でっていう時期がすごくあって、あれは参ったわ〜」と笑っていた。でも、私はその時期を超えたわけではなく、今もまだすぐ「何で?」となってしまう。思考停止しているわけじゃないよ。ちゃんと考えているんだよ。でも、確かに、「フーン……わからないわあ、何で?」って気軽に聞き過ぎかもしれない。