昔のユニコーンは、曲の途中で一回、声の調子を変えて、ふわふわした気持ち悪い雰囲気を出すことが多かった。他に、すごく速いテンポでたたみかけるように歌詞を重ねていく、という曲も多かった。ダルそうに歌う曲もあったが、それは段々形を成してきて、奥田民生らしいほんの少しの重たいリズムと歌い方として決まっていったように感じる。
 以前から、彼らは、皆がそれぞれに作詞作曲をし、皆がヴォーカルを務め、色々な楽器を担当した。それがユニコーンの楽しさである。あっこれは、誰の曲だ。誰が歌っている。この楽器は誰が演奏している。と、楽しみながら聴ける。
 気になる幾つかを挙げると、阿部は、歌が上手いのに声に華がない(笑)。何故でしょうね。そこは素人の私にはわかりません。華がないからヴォーカルでは売れないだろうと思う。でも、ユニコーンの中の何曲かは彼の声がピッタリくる。曲の雰囲気をつかむのが上手なのだろうと思う。
 奥田民生のドラムは、何かもったりとした感じがある。川西のドラムがパシパシと歯切れ良く迫力なだけあって、奥田民生の音は、すぐにわかってしまう。川西のドラムの音は、相当好きなのだが、奥田民生のドラムの音は可愛げがあって、それはそれで味があって、微笑んでしまう。
 今のユニコーンは、とにかく力強い。母が「和太鼓な感じのロック」と表現していた。クラシックをやっていた母が、好きになったQUEENと比べると、確かにユニコーンのロックは、和太鼓と言えるのかもしれない。
 私としては、やっぱり今のユニコーンの方が、前のユニコーンより良いなあと思う。似たところもあるけれど、今の方が、おじさん方の自信と、曲を作るに当たって、又演奏するに当たって、安定した感じを受ける。それに今時、こんなしっかりした力強いロックらしいロックを、大真面目にフザけつつ、しかもごまかさずに歌いあげる、なんて、なかなか聴けないものだ。おっさんが歌うとつい演歌の成分が入ってくるものだが、そんなものは微塵もない。何度も書いているけど、彼らは本当に「上手い」ことを、バレないよ〜うにして、すんごい上手いんだと思います。楽器も歌も。それが粋じゃないですか。あっでも、それぞれの担当の楽器がすんごい上手いという意味です。歌も奥田民生がね。担当じゃない楽器やパートは、それなりに味があって楽しめるというわけで。本当にカッコいい。
 あーライヴに行ってみたいなー。1回でも行くと、頭の中、そのことでいっぱいになりそうだけど(笑)。運と縁に恵まれず、一度も行っていない。
 奥田民生だけでも、バンドメンバーがいても、もちろん私は喜んで行く。でも、ユニコーンも観に行ってみたい!ま、子供が大きくなってからなのかな。いつかね。