昔、そう、大学時代のことで20年前くらいのことだから、「昔」なんですけどね(笑)、今で言う「ガールズトーク」なるものをやっていた。「ガールズトーク」の主軸は、恋愛話ですね。「コイバナ」と、主婦仲間で話すことがあるけど、「コイバナ」って、オバさんくさい言葉なんだろうなあー。……なんて思えるこの言葉が結構笑えて好き。そう、その「コイバナ」をすると、女の子は、何時間でも持ってしまう。皆で旅行なんかしようものなら、夜を徹して「コイバナ」、いや、ガールズトークは繰り広げられるわけだ。他に話はないのか。いや、あるんだけど、それを延々続けられる楽しさ。これは女の特性なのかもしれない。
 多くが、つきあっている彼の話、或いはつきあってきた彼の話、どんな人か、デートの中身、そして、どんな人が好みか、っていうような浅い内容なんです。まあ、男性側にしたら、そんな話、暴露されたくないだろうけどね、でも、女性同士ってそうやって、男を見る目を養っているんじゃないかなと思うので、大事な場だと言い訳させて下さい。
 だけど、好みに関しては、あくまでも、個人の好みなので、変えられない。それはやめておいた方が良いとかそこまでのレベルにはなかなかならないので、とりあえず、それぞれ自分の好みを話す。その時間の楽しいこと。そんな人、現れないかなあと思っているその瞬間、時間は夢心地なんです。そんな話で舞い上がっている時って、大体、彼がいない期間なので、まあ妄想タイムですね。
 そこで、私は、友達に言われた言葉で、印象に残ったものがありました。
 私が「尊敬できる人が良いよね」と言った時に「きぃちゃん(学生時代の私のニックネームです)て、そうだよね」と、距離を置いた感じで返事をされた。
 そこで、私は、何も言い返さなかった。いや、言い返せなかった。絶句しちゃったんです。あっ、これは、皆とは違うのか。皆そう思っていないのか。えっ、尊敬できなくて良いの?グルグル頭を回って、私は静かになった。
 とは言え、そう言った人の中には、地位が高くなりそうな人と結婚した人もいる。でも、彼を紹介された時、「どう?私の彼、すごいでしょ」という、彼女の誇らしげな感じを受け取って「ああ、そういうことなのか。」と、少し納得がいった。
 多分、彼女は、彼に対して、尊敬できるとかできないとかじゃなくて、「自分が、周りの人に自慢できるかどうか」ということが重要なのだろうと感じたのだ。「デキる女」が好きな女性が多いが、おそらく「デキる男」と結婚した自分、が誇らしいのだと感じた。
 でもね、それって、自分のことじゃないよね。