『宇宙兄弟』(小山宙哉著)というマンガがあります。話題になったので、夫が1、2巻を買ってきて読み、面白いと判断したため、今出ている分まで全巻買ってきた。
 突然マンガの話になっていますが、まだ「中年期」についての話は続いていますよ。あれっ、話題は変わったのかなとか、驚かずについてきて下さいね。
 1990年代に生まれた兄弟が、2020年代に宇宙飛行士になって宇宙を目指している内容なのだが、これが、予想以上に面白かった。
 元々、惑星や星に、ちょっとした執着を見せていた息子が、その漫画を読んでハマった。そこで、夫とそこの登場人物について度々話すのが面白そうで、会話に加わりたいのもあり、私も読んで、話題についていこうとした。
 話の内容は、また別のカテゴリーに書いているので、ここでは省くとして、私もその漫画を読み、ハマった。その主人公の大ファンになっちゃった。
 そう、ここから「中年期」を考えることへとつながっていきます。
 主人公は、マンガの中で、31歳を迎えています。外見は、くせっ毛がキツくてモジャモジャ。顔も、主人公の弟と比べて、全然スマートじゃなくて、さえない男と周りに思われるくらい、さわやかじゃありません。でも、その彼がすっごく良い!もちろん、主人公だから、気持ちが詳細に書いてあるし、表情も微妙に少しずつ違って、どういう感情であるかが手に取るようにわかるので、感情移入しやすいというのはあります。
 でも、私が大ファンになったのは、彼はさほど「優れている」と自分では思っていない、すごく秀でたところがあるという設定だからなのです。
 私にとって、秀でたところがあると感じるのは、好みの男性として、とても大事です。当人が何と思っていようと、私が「へぇ、私にはない部分を持っているんだ、スゴイな。」と思えたらそれで良い。一番大事なところは、生き方に真面目、真摯に自分と向き合えるかどうかです。そう、秀でているとか、スゴイなっていうのは、その人の特定の一つの部分ではなく、それがその人の信念でもって支えられていること、そこにその人の生き方が反映されていることです。
 だから、話をしていて、薄っぺらいのはいやです。表面的な話をして、ノリを要求されるような会話の比重が多いと、その人の知性を疑ってしまう。何も、難しい話をしたいと言っているのではない。わざわざ難しい話をするのも好きではない。自分が論じていることに酔っている人と話をしていてもそれは、その人の演説であって、周りの人の意見を聞くとか、周りの人の気持ちを考えるとか、そういったことに気が回らないのは、どんなに難しい話をしていても、頭が良いとは言えないと思う。その人が真摯に生きているか、物事を多面的に見ることができているか、色々なことを面倒くさがらずに考えているか、自分の考えを自分の言葉で表現できるか、違う意見を率直に言い合える許容量はあるか、会話をしていると、何となくその程度のことはわかってくる。そこで、その人の、人間の大きさがわかる。私にとって、人の気持ちを考え、自分の考えていることを言葉で表現できる人は、「気が」小さくたってそんなのは「可愛い」程度にしか写らない。人間の大きさは、気が小さいことまでも魅力に写ってしまうくらい、その人の一部にしか過ぎないと私は思っている。
 そこに、「どこか優れたところを発揮している」ところが加わると、途端に、人間的な魅力を超えて、男の人として魅力を感じます。