そんなわけで、夫に、とにかく、アラフォー以降の女性についての魅力を聞くことにした。急に心を揺さぶられた私にとって、そうでないと、自分のオシャレの方向でさえ、定まらない気がしてしまった。何故、アンチエイジングという言葉が流行るのか、アンチじゃなくても良いじゃないかという以前の私の気持ちはどこかに行き、少しでも可愛さや美しさを保ちたいという気持ちを自分で解説できない。
 熟女好き以外の若い男性や、年齢を重ねていく男の人たちは、どのように年を重ねる女性を見ているのか。どんな風に感じているのか。そして、私たち女性は、どういう立ち位置でいることが、痛々しくない魅力的な人間であるのか。
 テレビの画面に出てくるアラフォーのタレントを見て、私の視点から、色々潔くあきらめつつ、でも素敵で貫禄の40代以降の女性タレントや女優を探し出しては、ダンナに「この人はどう?」と聞いていく。
 色気がある、ない、過剰、などと、ダンナの、タレントの方々にとっては失礼な独断と偏見は、意外と女側から見ても納得のいく答えだ。
 でもじゃあね、その人たちの色気は必要なの?男の人はそれを見て、どう思うの?
 「ウーン……。良いと思う色気もあるけど、だから女の人として好みかどうかと言われると難しいなあ。」
 私の、次々とあふれてくる難問で、ダンナを悪戦苦闘させた。
 年齢を重ねていく女性を、男性はどういう対象として見るのか。年齢を重ねていく男性は、カッコ良くなっていくのに、不公平ではないか。
 まずは、男の人の心理を知りたい。夫は、基本的に若い女性より、オバさん化していく女性の方が好みだ。別に熟女好きではないけど、しっとりと女性らしい人や、媚びを売るような人よりも、サバけていて、自分の世界を持ち、物をしっかりと考え話せる女性が昔から好きなようだ。もちろん夫は自分の考えだけでなく、一般的な男性がどう思うかということについても、知りたい時には話してくれる。男だからね、多少なりともわかる。
 さあさあ、世の男性は、アラフォーと、それを超えた女性に何かを求めているのか、生物学的に不必要だとするならば、孫ができるまで、或いはできなかったとしたら、女性に美しく生きようという価値はあるのか、言語化してえ〜!
 私は夫に、答えをせまった。
 夫は、一生懸命、私の質問にピッタリな答えを、私が「そうか」と納得して黙る答えを模索してくれていたように見えた(笑)。
 そして「いや、やっぱり、若い女の子にはない何かを求めているんだよ。それは知性かな。会話していてわかるから、話の仕方とか、その反応の仕方で、その女性を魅力的に思えたりする。よく、飲み屋のママとか、中年のオヤジに行きつけができたりするのは、若い子にはないものを求めているからじゃないか?それは会話だよな。多分、包容力とか、知性とか、その落ち着いた感じやその人の持つ雰囲気、個性であって、若さや、若さのもつ可愛らしさではないんだろう。」というようなことを言った。
 ふむ。「なるほど。」
 とりあえず、私は黙った。ちょっと納得しちゃったからだ。年取っても可愛い人はいる。でも、その「可愛い」魅力は、若い頃の「可愛い」とは違ったものだ。確かに。