そして今。当然そういう対象からは、すっかり離れているんだけど、ふと思ったわけだ。
 「女の人って何。」「女の人の価値を、世の中の人はどう見ているんだろう?」「若いタレントが可愛いのはわかるけど、年取ってくると、使い捨てのように、多くの人が主役からはずれていって、段々興味を失われていくのは、どうにかならないの?」「男の人は40代になっても50代、60代になっても、味が出てくるとか、風格があるとか、カッコいいとか言われたりするのに、女の人は、20代いっぱいくらいまでが旬みたいに言う風潮だよね。」「世の中の男性が、若い女の子が良い、とわくわくしているならば、それが過ぎ去った女の人には、価値を見いだせないの?」

 ダンナにそういった疑問を投げかけて、「動物学的にしょうがないんじゃないの?」と言われても納得しない私はまだまだ食い下がる。

 「じゃあ、それを過ぎたら、世の中の男性にとっては用がないってこと?」「ずっと年上で、さっぱりとしつつ色気のある女性タレントは?」「年上の女性タレントでキレイだなと思う人はいる?」

 「女の人が長生きなのは、孫育ての役割があるかららしいよ。」
 なるほどー!

 ……じゃあなーい!
 それは知っている。理解もできる。でもまだ納得できない。だって、あんなに若い頃、ちやほやしてきたではないか。男性にとって、動物学的に用が済んだとするならば、女性側にしたら、オシャレし続ける意味は?老いていく自分の気持ちはどう処理していくのだ?
 はてさて。こういった中年の心について、真面目に言及している本はないものか。思い返してみた。河合隼雄の本に、そういうことが書いてあったのを数冊、読んだことがある。でもそれだけ。他にはあまりそういうことを書いてある本を知らない。幼児の心理学、さらに児童になってから、青少年の心について書いてある本は多い。老年期の心についても関心が向けられるようになっている気がする。では中年期は??その後、何冊か、ネットで注文して、読むことになるのだが、この時点ではまだまだ。
 とりあえず、自分の答えを出したい。自分で納得する考えを出したい。そうでないと、私は悶々とし続けるだろう。「そうなのか!」と思える、何らかの答えを出したい。それから、河合隼雄の本を、改めて手に取ろう。そこにさらなるヒントを求めよう。自分の考えをある程度確立したい。
 まずは、身近な男性である夫に、どんどん疑問をぶつけていく。夫は、好みはどうあれ、男性側からの一般的な意見も知っている。私だってそうだ。人を見る目に自信があると思っている。それは、人気があるとか、性格も表面的な部分ではなく、薄っぺらい物の奥を見るのが好きだからです。でも、一般的な女性がどう思っているのか、どんな風に男性を見ているのかくらいは、わかるつもり。