『宇宙兄弟』(著者:小山宙哉 講談社)というマンガがあります。話題になったので、夫が1、2巻を買ってきて読み、面白いと判断したので、今出ている分まで全巻買ってきた。
 1990年代に生まれた兄弟が、2020年代に宇宙飛行士になって宇宙を目指している内容なのだが、これが、予想以上に面白かった。
 元々、惑星や星に、ちょっとした執着を見せていた息子が、その漫画を読んでハマった。息子が夫とそこの登場人物について度々話して、二人が、私を置いてけぼりにするので、私も読んで、話題についていこうとした。
 私はと言えば、数字好きな息子が大好きな「地球何個分で、その惑星と同じ重さ」だの、ナンとかという星は何等星だの、どの惑星の重力はどのくらいだのそういう話は、右から左に抜けていく。私はもっと他のことで頭がいっぱい、そんな知識はどうでも良い!という気持ちが正直なところ。でも、夫も息子も、プラスアルファの知識として、頭の中に入っているんだから、私のその台詞は、言い訳にしかならない。そんな私も実は、幼い頃、宇宙のことを知るのが好きだった。アメリカ在住時、1年生で、授業中、惑星の話をされた時のワクワク感は今でも覚えている。勝手に、惑星の名前を、順番に全部覚えた。もちろん英語ですよ。そしてその影は見るも無残に消えました。惑星の英語名なんてすっかり忘れました。最近、たまに耳にすると「へぇ、そうなんだー」という新鮮さ。(そしてまたすぐ忘れてしまいます。)多分、帰国後、それこそ、「それどころじゃない」現実に対処するのに必死で、頭の中から追い出されてしまったんでしょうね。
 息子は、元来、数字好きなので、記録やデータに執着を示し、数式や答えに、何らかの規則性を見つけ出したりするのが好きです。だから、宇宙が好き!と、最初から入ったわけではない。車で1時間位の所にある、科学館でゲームをしているうちに、文字好き数字好きの彼の血が騒ぐような文章が目にとまり、それが惑星の説明だったり星の説明だったりした。そこから宇宙への興味は広がっていった。長い間、映像を観ていることが苦手だった幼児期も、プラネタリウムはじっと座って観ていた。
 そんなわけで、宇宙の図鑑を買うと、データの連続で、すごく食い付きが良かった。そして、『宇宙兄弟』を読み、それにもハマった。息子は、マンガだけでなく、また宇宙の図鑑を引っ張り出してきて、ノートを作り始めた。「うちゅうノート」と書かれているそれに、絵を描いたり、字を書いたり……あんなに、字を書くことを面倒くさがる息子が、せっせと、図鑑を読んで、気に入ったところをノートに書き写していっている。好きなことなら、書くことも億劫じゃないんだね。
 幸い、宇宙の話をする友達がいるようだ。どんな風に話をしているのかは知らないが、若干二年生の二人が、お互いの知識を披露し合って得意になっているんだろうな。想像するとちょっと可愛い(笑)。