先日、奥田民生のライヴに行きたいけど行けない、ということで、身もだえするような気持ちになった。本当に、すごーーーーーーーく行きたかったです。
 以前書いたように、前回の奥田民生のアルバム作りは格別だった。演奏を、自分でほとんど済ませてしまった。ドラムをたたき終わると、ベースを弾いて音を重ねて、幾種類かのギターなど、次々と音を重ねていき、最後に歌って声を入れ、時には自分の声にハモりながら、曲を完成させていく。しかもその一部始終を、ライヴとして、客を入れて、会場で見せながら仕上げていった。だから、一つの会場で、一曲の完成。それでも数時間でとりあえず一段落させることは、かなりの偉業らしい。
 息子もそのDVDを観て、今回のアルバムの曲作りの仕方を知り、夫と三人、そのアルバムを聴き、よく車の中、三人で、アルバムに合わせて歌ったり、ウチで鼻歌を歌ったりしていた。『OTRL』というアルバムのタイトルである。
 そのアルバムの曲を、昨年秋、奥田民生がバンドでライヴツアーをすると知った。つまり、ドラムやキーボード、ベースなどは、よく一緒にツアーに回るメンバーが演奏するというわけだ。彼らの演奏は、いつだって奥田民生の曲をよりカッコ良くしてくれている。そのメンバーで「ひとり」じゃない「ひとりカンタビレ」を演奏するというのだ。奥田民生だけで醸し出していたカッコ良さとは違った、メンバーで演奏した曲のカッコよさが出るはずだ。小原礼のベース、湊雅史のドラム、斎藤有太のキーボード、での『OTRL』。観に行きたい!!
 一番近い会場はいつ、どこで?と調べると。車で数時間の所で、平日の夜。……次の朝も息子の小学校があるじゃないか。……でも頑張れば間に合うぞ。その日は特別に夜遅くなっても良いじゃないか。しかし、学校がどうのという曜日の問題ではなく、日にちなのだ。その日は息子の誕生日ではないか。……「誕生日はウチで祝いたいよね?」と、ウチの中が大好きな息子に愚問。返事は当然、予想通り。「その日、奥田民生のライヴが、○○(地名)であるんだよね。」「遠いじゃない。次の日学校あるし。」と、冷静なお答え。そうよね。それに、「8歳」という誕生日は二度とやってこない。
 大好きな人のライヴには、夫(或いは妻)や子供がいようとも一人でも行く人はいる。でも、奥田民生大好きで、教えてくれたのは夫だ。だから一緒に行きたいし、子供を預ける人もいない。息子も奥田民生の良さが結構わかっている。なのに、一人でなんか、あとの二人に申し訳なくて行けない。ましてや息子の誕生日。迷うことすら不謹慎に思えてしまう。
 「奥田民生のライヴって‘いつか’行きたい?」と、自分へのせめてもの慰めに聞いてみた。「行きたい。でも、今は背がちっちゃいから、よく見えないと思うんだ。もっと大きくなってからで良い。今はDVDで充分」という、終始、冷静なお答えをいただきました。
 息子に申し訳ないほど「行きたい!行けなくて残念!」という強い思いでした(笑)。でも、安心して下さい。(誰が?)。息子の誕生日前日は、よく眠れないほど、息子が生まれた日のことを思い出して気分が高揚してしまいました。そして、当日には、精一杯祝いました。
 8歳の誕生日おめでとう!!いつか家族で、奥田民生のライヴを観に行きたいね。