ここからさらに私の見解を書かせて下さい。
 まず、わかりやすい運動のこと。運動神経の良しあしというのは、誰にでもある。私にも得意不得意があると書いたことがある。息子には得意なことがある。「スピード関係」と私は呼んでいる。元々滑り台が大好きで、そこそこにスキーも上達してきたし、プールのウオータースライダーに抵抗がない。まったく怖くないというわけではないみたいだが、面白い方が怖い気持ちを上回るみたい。ちなみに私はスキーもウオータースライダーも怖い。私が怖いと思うことでも息子は思わないし、私が怖くないと思うことを息子が怖い。あいこではないか。さらに、息子は自転車が大好きだ。それほど「自転車に夢中!」ってわけでもないのに、7歳にして2時間20キロでも走る。もちろん疲れ知らずなのではない。疲れてくると「疲れた。暑い。」などと言うし、グズグズしてくる。でもこれも楽しい気持ちの方が上回るようだ。
 鉄棒をとても怖がっていたのだが、体操教室に通うと自分で言い出して、ようやく前回りができるようになった。走るのも遅いが、ジョギングやマラソンが大好きで、順位が悪くても、続けている。順位が悪いことをまったく気にしていないわけではない。「順位が悪くても、全力を出し切ること」と、レース前に度々自分で言い聞かせている。終わった後は、自分のタイムを見て、自分で自分を誉めるようにしている。もちろんこちら側としても走り切ったことを大いに誉める。これをずっと継続させるかどうかについても客観的だ。「大人になっても好きかなあ。もし大人になっても走っていたら、お父さん、一緒に走ろうね。」なんて可愛いことを言ってくれる。短距離は遅いが、ダッシュの測定ではクラス一位になったこともある。縄跳びもクラスの中では得意ではない方だが、縄跳びが得意だった私の、二年生の頃より色々できる。大縄跳びの中にも自分で、すんなり入って行ける。
 夜泣きに関してもかなり苦しんだし、今も眠りが浅い時には私を苦しめるが、体調が悪くなければグッスリ寝てくれる。それに二年生の睡眠時間の平均になった。
 計画が変わったり、突然の申し出には相変わらず弱いが、かんしゃくを起こすということはなくなった。今、進行していることを中断されるのは嫌って、グズグズ泣いたり、絡んだりしてくるが、「あっやっぱりこうしようか」と何か変更があっても「えー」というくらいで、大体が従ってくれる。
 じゃあ、典型の一つとされる、字が下手なのに、計算や数字へのこだわり、漢字を読めることに関してはどうなのか。これには自分で答えが出ないので夫に聞いてみた。
 すると、「ただ好きなんじゃないの?」と言う。
 「ただ好きなんじゃないの?」これが、一つの方向にしか考えられなかった私の心を強く動かすきっかけとなった。