この前、息子が突然
「僕、ノリツッコミやってみたいから、父さんボケて」と、とても雑に話をふってきた。
 夫が、何か適当にボケを言ってみたところ、息子は
「うん……って、なんでやねん!」
「……。」
 ノリの部分は「うん」だけですか。
笑いをかみころしている私の横で、さすがに物足りないと夫も思ったらしく、もう一度ボケてみたら
 「そうそう……って、なんでやねん!」
バリエーションの少ない7歳、我が息子。
 まだまだ修行が足りませんな。

 そんな息子が、モンスターエンジン西森りょういちの「鉄工所ラップ」にハマっている。モンスターエンジンは、神様コント、という連続物のショートコントで、夫と私、二人して笑い転げて心を奪われ、息子にも影響が及んだ。モンスターエンジンの大林クンは、とても可愛らしい感じの、ちっちゃな男の子なのだが(とは言え、27歳で、女の子にも人気あるそうです)西森は、おっさんくさくて、さえない感じなのに、やってくれるネタというネタが面白い。ただし、ショートコントに限ってなんです。漫才が、私にとっては今一つ。長いコントも見たことがない。連続物のショートコントだけが笑える。その彼は、実家が鉄工所で、以前からそのネタをよくやっていた。「鉄工所でよく見る風景」と言って、実際に見たこともない私たちにも何となく納得させてしまう。その光景が思い浮かぶととてもおかしいのだが、ある日突然(??)それをラップにしてしまった。乱暴な展開で、強引にラップにするのだが、その歌詞がまた笑える。そして、そのラップもまた連続物というか、シリーズ化してしまった。
 某番組で、東野幸治が「CDでも出したら?」と冗談とも本気ともつかない様子で言ったからなのか、本当にCDを出した。それを、またお笑い好きの夫が買った。そして車でかけると、息子がやたらに食い付きがよくて、気に入ってしまい、歌詞を次々と覚えていった。息子が、特に好きな部分は「安い弁当を食う!」と連呼するところで、大声を張り上げて「安い弁当を食う!」と歌うから、ウチの外まで聞こえているらしい。恥ずかしい……。でも、恥ずかしいのは私の感情なので、そこはちょっとこらえている。息子のユーモア精神が嬉しいし。そして、最後の「ジャーン!」という音で終わるところまで歌い切り、「おつかれさまっした〜」という、大人っぽい「お疲れ様でした」という挨拶まで言う。本人いはく、言い方が「大人っぽくてカッコいい」らしい。