7歳の息子はといえば、初めてのテントでの宿泊に大ハシャギだった。
 しかしテントを建てた瞬間、彼は手伝うのをやめた(笑)。確かに、タープを建てるのとテントを張るのは、一番の大仕事で、それだけでももちろん誉めてやった。しかしですね、こちらとしては、そこからまだ色々準備がある。私は食材を洗ったり切ったり、夫は火を起こしたり。そんな中、息子は「テントの中に一緒に入りたいな〜って人はいませんかあ〜?」などと言ってしつこく声をかけてくる。「ここは気持ち良いよ〜」とか。
 あまりにしつこいので、私が少し相手をしてやることにした。息子はシュラフに入ってチャックを閉めて「ホラ、僕歩けないよ」と言っているので「魚みたいだね、お魚さん、こんにちは」と言うと、ノリノリで妄想モードに入ってしまった。「僕はお魚だよ〜」「僕と一緒にお魚ごっこしないか〜い?」「それとも僕をつかまえて食べないか〜い?」とか、声色を変えて、なりきっていた。少し相手をしたが、また自分の作業に取り掛かる。
 花火が終わってから寝る前も、息子は大ハシャギで、ついつい声が大きくなって、ゴロゴロ転げ回って「興奮しちゃう!ハシャいで寝れないかもしれない!」と言っていたので、寝るのが遅くなるのではと心配したが、いつもの就寝時間に寝ることができた。
 私たちは、周りのせいもあって、寝付くのが遅くなったが、夜中、頭の置きどころが定まらないというのか、やはり何重かにクッションを敷いても、頭の辺りが固く感じるんですね。後頭部が痛いので何度か目を覚ましては、自分の丸めたTシャツを頭に敷き直したりしていた。寝る時には、シュラフの中にしっかり入らないで丁度良いくらいの気温だったのに、朝方は寒くてシュラフのチャックを閉めてその中にもぐりこんだ。あまり眠れないなあと思っているうちに、明るくなっていき、カラスがカアカアうるさく鳴いているし、外は少し人の声がしたり、足音がしたりで、6時前には目がさめた。外をのぞくと、目の前の湖では、カヌーに乗って釣りをしている人が、既にたくさんいた。「皆早起きだねぇ」と感心しながら、少しずつ朝食の用意をした。
 各テントから、のそのそ起きてくる人たちも見えて、それぞれのペースで、朝食をそれぞれに食べて、片づけの準備を始めた。大体皆が、何かをする時間は同じくらいだが、それでも好き勝手にして良いので、のんびり自分たちのペースで作り、片づけたりできる。食事内容も人それぞれで、気兼ねなく自分たちの考えたメニューでご飯を食べ、お喋りしながらゆったり楽しむことができた。
 しばらくして、管理人のおっちゃんが、息子のためにザリガニを採って見せてくれて「ちょっと遊んだら湖に返してやってね」と言った。息子は「すげー!」と言って大きめのざりがにをつかんで喜んでいた。
 そして、昼頃には自宅のある市内に戻ってきた。さわやかな気分で、次回はもっと長時間いたいなと思ったくらいだった。