今回の場所は、今住んでいる所より、少し北の、山の方。だいたい今までのキャンプの8割がそこだ。何回か、南の方の川沿いでバーベキューしたことがあるが、夏は暑いので、夏前か秋口にそこでタープを張るくらいで、今回行った場所は、涼しいので、夏に利用していた。キャンプ地は小さいので、大きいテントとタープを張れば、10〜15世帯分でもうギッシリではないだろうか。一人用のテントならたくさん張れるようだけど。
 タープやテントを張る所は砂利をキレイに敷き詰めて平らにしてあり、湖がすぐそばにある。車を横付けする場所も、砂利とは分けてあるし、管理人のおっちゃんも感じが良い。つかず離れずで、温かく見守ってくれていて、立ち入ってこない。管理の小さな建物の中に入ると挨拶を交わし、息子にはちょこちょこ話しかけてくれる程度の、適度な距離を保っていてくれる。建物の中には、炊事場があり、洗い物は一通りできるし、洗面台も2つある。清潔に管理してある。トイレの小屋も、男女分けてあるし、匂いに気を配っていて清潔だ。私たちはそこのキャンプ地が、こじんまりしていて、とても気に入っている。
 それで、キャンプ地をそこにしたのだが。涼しいものの、汗だくになってタープを建て、その後、テントを張る。夫の指導のもと、息子もよく動いてくれたし、私も一生懸命協力した。のだが。汗かきの夫は、一人だけで働いたかのように汗だくになっていた。なんだよその汗の量は、とツッコミを入れたいほど、汗をボタボタ垂らして、傍からは、きっとお父さんだけが必死になって建てたように見えるのではないだろうか。いやあ、私も頑張ったのに、ちょっと悔しいぞ。
 そして、一通り建てられたら近くのお風呂に行き疲れを取り、その後、夕食作り。
 夫は、札幌で育ち、札幌で大学生活を送り、そこの大学の中を通ると、当たり前にジンギスカンをやっている学生たちを見るように、夫も仲間たちと、研究の合間にジンギスカンを楽しんだらしい。男性が多い学部なので、男の子たちが自分たちで火を起こして、食材を用意して、ジンギスカンを焼いていたらしく、慣れたものである。
 丁度いい加減に焼けたジンギスカンは絶品だった。
 その頃には、辺りはとても涼しくて、汗も出ない。「美味しいね」「幸せだね」と言いながら食べ終わり、お皿を洗い、手持ちの花火をした。見上げると、昔祖母の田舎で見たような、満天の星空に感激した。久しぶりに流れ星も見た。管理人のおっちゃんは「夜の湖を懐中電灯で見てごらん、ザリガニやカニが見えるよ」と言ったので、息子とのぞいた。ザリガニなどは見つからなかったが、夜の湖を懐中電灯で照らすと、何だか神秘的だった。
 そして、就寝。
 しかし。隣りで男性グループが、音楽談義をしているのが丸聞こえでうるさい。しばらくすると、よそのおじいさんが「うるさいぞ!静かにしろ!」と注意して静かになった。ホッとするのもつかの間、今度は遠くの団体さんが、ずっと下らない話をしているのが気になった。何を喋っているかも全部聞こえてうんざりだ。子供もいる団体らしかったのに、親たちは12時頃まで喋っていたようだ。息子はいつも自宅で寝る時間に寝ることができたが、夫も私もうるさくてなかなか寝付けなかった。