先日、とうとう、家族三人で、泊まりのキャンプに行った。
 キャンプに関しては、過去に色々、エピソードがある。
 アメリカに住んでいた幼少期、毎年、夏休みになると毎日のデイキャンプに通った。プールに入ったり、川を歩いてたくさんの葉っぱを摘んで画用紙に貼ったり、トランポリンで遊んだり、工作をしたり、馬に乗せてもらったり、行き帰りのバスの中でも友達たちとふざけっぱなしだったりで、私はそのキャンプに行くことが大好きだった。
 大学生の間は、友達に誘われて、無人島だがキャンプ地としては機能している所へ、ボランティアでリーダーを体験した。約一年だったが、キャンプの時期に入る直前の設営作業、訓練(もっとも、ヨット、カヌーの訓練に関しては、私は参加する以前だったが)、自分たちより年下の子供たちを実際に連れていくキャンプ、シーズン終わりの撤収作業。ここでは、別のカテゴリーで書いているように、友達と夜遅くまで語り合ったりなど楽しい思い出もあるが、特に親しくもない人たちの表裏まで見れて良い経験にはなったものの、苦い思い出もたくさんある。
 キッチンとシャワー、トイレ以外は、電気も水道もないので、小屋ではランタンをつけ、板張りの二段ベッドで、シュラフの中に寝る。気持ちもたかぶっていたり緊張していたりで、寝苦しく、よく寝れないのだが、海の波の音が、心を穏やかにしてくれた。
 アルバイトで、キャンプのリーダーをやってみたこともある。そこはそれなりの大きな宿泊施設があったし、食事はリーダーたちではないそこの施設の人たちが作ってくれた。子供たちが寝たら、反省会と称してビールを飲んでいる人たちがほとんど、前へ前へ出られる子だけが重宝がられて、あまり好きにはなれなかった。
 そういったところで経験があることによって得たことは、ある程度、力仕事に参加するようになったこと、何もできない自分がどうやって、引っ張って行ってくれる人の後につき手伝いができるかなどの方法を知ったこと、など、学習はできたかもしれない。都会っ子の私だが、ちょっとくらいなら厳しい条件の下でも頑張れる。
 そう言えば、夫の後輩が、北海道の湖に連れて行ってくれて、カヌーを体験したことがあるが、あまり嫌な顔せず楽しむ私に「こういうのって経験あるの?」と、その後輩に聞かれたことがある。まあ、結局嫌いではないのだ。でも、実は大して好きでもないのだ(笑)。自然が目の前にあると、心が静かに穏やかになることもあるが、自然が過酷なことはいつだって変わりがないからだ。穏やかな中に、ただ身を置いているだけで、怖くなることがよくある。
 夫が、キャンプグッズを少しずつ揃えてきているのは知っていた。
 数年前から、年に2〜3回は、デイキャンプに行って、タープを張り、火を起こして、バーベキューなどはしていた。その時に、息子を色々手伝わせることも、色々と自然のことを知らない息子が知っていくことも、息子に良い体験だと思っていた。