7歳、小学一年生の我が息子が、意外なことに、スキーにハマった。
 息子が生まれたのは、札幌市。12月生まれの息子は、1歳になりたての頃に、近くの公園に連れ出すと、一面の雪を見て、歩くのを怖がった。抱っこからおろそうとしても、抱っこの姿勢で身体を丸くしたまま、決して足を地面につけようとしない。やっと下ろしても、泣いて歩かない。あー圧倒されちゃうのねぇ。雪国に生まれたからと言って、最初から雪に抵抗がないというわけではないのねぇ。
 ちょっぴりガッカリしつつ、1歳5カ月で今住んでいる土地へ。
 そこも、根雪にはならない程度だが雪は降ることがある。車で数十分も走って山に向かえば、スキー場がたくさんある。
 最初は、そり滑りを楽しんだ。
 息子は遊具の中でも、滑り台がダントツに好きで、プールにあるウオータースライダーも大好き。長いウオータースライダーでも、お兄ちゃんたちにまじって、一人でも平気で滑って下りてくる。何でも「怖い怖い」「できないできない」と怖気づき、大騒ぎになり、こっちが気持ちを受け入れてみたり、根気よく誘導してみたり、逆に叱咤激励してみたり、流してみたり、突き放してみたり、あらゆる手段をとっても「怖いものは怖い!」と頑なで、すぐ大泣き大騒ぎする息子が、珍しく怖がらないもの、と言えるくらい、滑り台やウオータースライダーには抵抗なかった。
 そり滑りに関しては、私がスピード出過ぎるのが怖くて足でブレーキかけるよりも、息子は速く滑ってキャーキャーと楽しんでいた。スピードに関しては抵抗ないらしい。
 そして、幼稚園年長の頃、スキー板と靴を買って、スキーに初挑戦。夫が札幌育ちなので、札幌の中では下手な方と自分では言っているが、全国的に見て、スキーのレベルが高い北海道なので、私には下手にはとても思えない。子供を引っ張ってなだらかな斜面へ連れて行き、滑らせる。数メートルですぐ転ぶ。夫は立ちあがり方だけを教えて、ただ横に立っている。
 ちなみに私はスキーが本当に苦手!札幌に住んでいて、子供がまだいなかった時、せっかく札幌に住んでいるのだからと、スキーに何度も挑戦した。しかし、やればやるほど恐怖心が膨らむばかりで、どんどん怖く嫌いになっていってしまった。スピードも崖も怖いし、風も辛いし、こけた時に、時々取り残されるのもひどく孤独。結局「やっと初心者並みと言える程度だね」と言われるくらいに滑れるようになったくらいでした。
 なので、夫が息子に、ストックにつかまらせて引っ張り、斜面を上がっている後ろから、必死で一人でついていこうとしても、あっという間に差はどんどん開いていき、やっぱり一人きりでもたもたトボトボ歩いているのだった。
 いやなことがあると、すぐギャーと泣いて発散する息子。特に幼稚園時代はその傾向が強かったので、転びまくると、帰りの車の中や駐車場などで何かとからんで大泣きしていたものの、スキー場ではほぼ泣かずに、何度も起き上がって数メートルチャレンジ、を繰り返していた。
 いやじゃないのかな、とちょっと心配しました。助けてもらいもせず、ただ起き上がり方だけを教わり、ボディコントロールが下手な息子は、人並み以上に時間をかけて起き上がる。