今まで多くの心理学の本を読んできたが、ざっと100冊は超えている。これって多いのだろうか?まだまだなんだろうか?今まで同じジャンルの本を100冊読んだことはないので、「100冊超えてるんだなあ」という感慨深さはあるが、専門家にしたら、大したことはないと思うだろう。でもね、私、専門家じゃないし、素人だもん。あっ、でもダンナも将棋の本、軽く100冊は超えてるよな。棋士でもないのに(笑)。そっか好きってそういうことか。まあ、数の問題じゃないんですよね。特に私の場合、頭になかなか浸透しないから(笑)。トホ。
 そもそもです。冷静に振り返ってみると、「心理学」の本と言えるのかどうか。書いている人は、心理学者、精神医学者、カウンセラーなど、確かに心理学を専門にした人たちが書いた本ではあるけど、その内容が「心理学」についてとは言えないのかもしれない。「人の心について」ですな。
 のめりこむきっかけとなった、子供の激しいダダこね。ひどい時期に、引っ越しと重なった。近所でも頼る人はいないし、預け先にも意地悪を言われて、とにかく途方に暮れた。自分とは明らかに違う性格の子供を目の前に、どう扱えば良いのか。泣いたり喚いたり怒ったりする我が子を見て、大激怒しても、自体は悪化。大激怒の後は自己嫌悪も相当なものだ。なだめすかしても、効果なし。息子の心の中は一体どうなっているんだ?何故怒っても機嫌とっても、我が子には効果がないのだ?
 そして目からウロコの本と出会えた。教育的なマニュアルや個人的な意見の押しつけなどではなく、心理学の側面から人の心について考えた優しさにあふれる本であった。そして、怒っても機嫌取っても、逆効果であることを知った。それはその時に、「逆効果」としての言動や態度が出る子と、思春期頃に「逆効果」として表れる人と、大人になってから親となり子育てをする時に「逆効果」が表れてその子(親になった自分の子供)が苦しむ人と、様々なのだが、我が息子が今後はどう出るかわからないにしても、まずはその場ですぐ「アンタのやってることは逆効果なんだー!」と泣き喚いて訴えるタイプだった。
 それから、子供の心を学んでいくにつれ、その興味は親子関係へ。その途中に手に取った何冊かの少年犯罪心理学や、思春期頃の子供の心に関する本、も、とても役立った。親が同じように接したとしても、犯罪に手を染める子と、そうではなく耐えられる子がいる。それは、当人が死ぬまでどちらのタイプなのか、はたから見ていても実はわからないのかもしれない。脳のことについて言及もしているが、やはり、同じように脳の欠陥があったとしても、素晴らしい一生を送る人と、平凡に人生を送る人と、犯罪に身を滅ぼす人とがいる。それは、「その子による」と、自己流の子育てだけに甘んじていては、昨今の社会では、ただの運、不運にまかせているにすぎないことを、世の親たちに警告したい。もしも問題が起きない子であれば、ただ運が良かったというだけだ。その子供が、偶然、犯罪に手を染めることなく、偶然、周りの人に恵まれて育った。特に今の時代は、私たちが子供の頃より、あらゆる物事のスピードが速い。自分がされたのと同じような子育てをしていて、自分の子供はどうなるだろうか?まあそのままやってみるか、と、そんな賭けみたいな子育ては私にはできない。そういった本を読んで、子育て観を新たにした。
 *だからといって、私の子育てが素晴らしいとかうまくいってるとかではないことも書いておきたい。私は今後の息子がどうなるか、本当に自信がないです。