ところで、ユニコーンの今回のDVDから、どうしても取り上げたい曲がある。
 ほとんど全部の曲がそれぞれに好きなのだが、どうしても二つ。
 『PTA〜光のネットワーク〜』という曲について、私の中での大発見があった。最初の「先生!」という呼びかけから入るこの一連の台詞。そしてメロディーに入った瞬間。他の「PTAとの板ばさみ」で「大変な職についたね」や、「踊るよ、踊るよ」という歌詞。聴いた瞬間、「あれっ?!これ、他に誰か歌っている?」と聞いたくらい、この曲に聴き覚えがあった。
 しかし、私が意識的に「ユニコーンの曲」として、高校生頃に知っていた曲は「スターな男」と「大迷惑」くらいのはず。その後、ユニコーンの曲を友達がテープに録音してくれたり(‘テープ’の時代です)、ベストアルバムを買ったりしたのが、13年前位のこと。でもこの曲は、その13年前の頃には聴いていない。……何故この曲に聴き覚えがあるのか?!
 夫に色々聞いてみると「TMネットワーク(宇都宮隆 小室哲哉 木根尚登)が作った曲‘self control’のパロディだとのこと。そうかそうか、高校の頃、TMネットワーク大好きな友人が、私に「聴いて」と色々曲を聴かせてくれたよな、だから聞き覚えがあるのか。と、最初は納得していた。
 が!まだどうにも気持ちが悪い。やたらに印象的なこの歌詞と出だし。そこで‘self control’の歌詞を調べてみた。ところが、私の「聴き覚えのある歌詞」がまったく出てこない。あれれ。
 やっぱりこれはこれで、そのTMネットワーク大好きな友人か、音楽に関してマニアックな友人がいたので、そのどちらかが、私に聴かせたに違いない。自分で好きな曲などを発掘するのが得意ではなかった私なので、きっとそうやって聴かされて、一時的にハマったことがあったのだろう。しかも、当時聴いていたその声の半分位は、奥田民生の声で、それを聴いて楽しんでいたのかと思うと、むしょうに嬉しくて、その頃の自分が懐かしく、胸がいっぱいになった。そしてそのお陰なのか、その日から一週間ほど、私の頭の中に、突然15〜20年前くらいによく聴き、その後パッタリ聴いていなかった曲の数々がうずまいて仕方なくなった。その奇妙な現象を夫に訴えると、「しばらく出していなかった引き出しを引き出したら、同時に色々引き出されちゃったんじゃない?」とのことだった。そんなことってあるのかい?(笑)
 思い出したのは、どれも懐かしい曲ばかりでした。