奥田民生が、昔のユニコーンの曲を歌うと、しばらくの時が経っているので歌い慣れていないのは音が取りにくそうにしていたが、歌い慣れている曲に関しては、以前のアルバムの歌唱力をずっと上回って、声量と声の太さと、安定した音程。以前のユニコーン時代は、声がまだ若くて多少ハスキーなところもあり、それはそれで魅力なのだが、今の力強い声と安定した音も良い。
 喋るのがあまり好きではないのは相変わらずだが、舞台でフザけるのは好きなようで、それはソロになってからの様子でもわかる。ただ、周りがユニコーンのメンバーだと、それに拍車がかかる。フザける男子は無邪気で可愛い。適度にフザけている男子には、余裕と包容力さえ感じる。女性にはない部分だ。心から楽しそうに歌い、演奏し、ノッている。好きでやっているとしか思えない。ソロの時に、ある掲示板で「コンサートで彼はフザけ過ぎ」というコメントを時々目にするだが、そういうことを書く人はユニコーン時代を知らないんだろうなあ。ソロの時も、ニヤニヤしたり、音で遊ぶ彼に関して、また雑なコメントをする奥田民生に対して、私は気にならないが、彼はそもそもフザけるタイプなのだ。楽しく歌い、演奏できたらそれで良いのだ。でもそれが本当に好きってことじゃないだろうか。服装などはちょいとうるさそうだが、歌っている自分がどう見えているかなんて、彼は気にしていないだろう。
 ……そして歌唱力と歌心。張る声より抑えた声の方が難しいと思うのだが、強弱も申し分なく、絶妙。急に音が下がったり、弱い音にしてもブレない。そして実はリズム感が素晴らしく良いというのが私の印象だ。
 なんて、ドキドキしながら目がハート型になって、ほんわかしている私がいるのダ。ダンナよ、自分の前でこんなDVDを女房に観せて、心を奪われたらどうしようとか気にならないのかい?
 とか思ってダンナをチラと見ると、「むおぉ……。」とかうなりながらストレッチをしていた(笑)。
 ちなみに、私はテレビやステージで見る奥田民生が大好き。上に書いたようなことで。でも、対談とか雑誌の記事でのコメントは何とも思わないの。つい我に返ってしまう自分がいてね。あっこういう発言をする人なのねぇって。だけど、何度観ても、DVDでの彼には、ときめいてしまうのダ。不思議なものですね。奥田民生の頭が全体に薄くなってきているのも良い味。ハハハ。