そんなわけで、ユニコーンのメンバーは、皆が歌い、色々な楽器に触れ、本当に楽しそうにその空気を味わっていた。
 他のメンバーそれぞれの性格も、よく表れていた印象だ。出番以外は、黙々と作業する阿部。シンセサイザーを使い、パソコンを使い、あちこちいじりながら、音を調整しつつ、真顔でウロウロ。
 しかし、自分の出番の時には、いちいち派手だ。そして喋るのも結構好きだ。フザける時には、一番ひどい。でもそのひどさについてこられるメンバーたちだ。特に奥田民生は引かず、ちゃんと大笑いしてウケていることをアピールしている。昔のユニコーンの映像がDVD特典で流れていたが、そんな阿部と奥田民生の関係は、当時からあったようだ。二人でこのメンバーを特に盛り上げていると言えるが、他のメンバーもそれぞれにとても魅力的だ。
 テンションが上がると、すごくそのテンションを高くしたままハシャぎたいEBIちゃん。
 アルバム製作時の様子から、かなり個性を発揮していたEBIちゃんだが、一見優しそうでナイーヴ、大人しそうな割に、思い切ったことをするなあと思っていたら、やはりコンサート中は、はじけたいだけはじけている。元々は、フザけたような歌詞も好きではなかったらしく、可愛らしい歌詞を歌うことには抵抗があったという。そもそも彼はベースだ。ベースがヴォーカルをするバンドというのも珍しい。ちなみに、ベースなのにとても高い声で歌ってくれます。
 そしてとてもシャイな手島。私は『WAO!』の練習風景ですっかり心を奪われたので、盛り上げベタだろうと、そのシャイさも可愛いと思える。これもまた彼の持ち味だ。シャイでありながら、楽しそう。その場を本当に楽しんでいるように見える。昔の映像を観ると、皆に変化が見られるが、手島の雰囲気が一番変わったように感じる。本人にしたら自然な流れなのかもしれないけど、前のユニコーン時代のファンだった人が、久し振りに手島を見て驚くのもわかる気がする。
 ちなみに、EBIちゃんと手島の二人は、この再結成を最も望んでいたと言われている。