『アメトーーク』の話の続きです。
 お笑い芸人が、毎回ごと決められたテーマをもとに、トークを展開する番組で、ほとんどいつも楽しませてもらっている。
 そして、中でも「中学の時、イケてない芸人」が集まった時のトークは、本当に夫と二人で爆笑の連続だった。
 私はこの回で、笑い飯の西田の、お笑いとしてのファンになってしまった。中学当時の彼は、何故か忍者に憧れ、鎖かたびらを身につけたくて、自分で金属の輪を集めてくっつけ、鎖かたびらとして着ていたのだ。「お手製の鎖かたびら」と称したそれは哀れで、しかも彼は金属アレルギーということもわかり、それでもカッコいいと、我慢してつけていた時期があったのだ。西田を始め、皆に‘今現在そこそこに成功している気持ちの余裕’が見られるからか、決して卑屈になりすぎず、当時の話を面白く聞かせてくれた。
 そして、クライマックスは、皆の「勝手につけられた変なあだ名」の話。
 中でも、ロバート山本のエピソード、選挙カーで叫ばれていた「山本あきこ」から「あきこ」と呼ばれ、さらに教科書に出てきた「与謝野晶子」へと発展したことには笑ったし、彼の別のあだ名、「掃除大臣」にも大ウケ。さらに博多華丸大吉の、大吉の方が呼ばれていた「焼却炉の魔術師」への流れも大爆笑だった。そのエピソードにもお腹を抱えて笑い、あだ名をつけられた当人たちが気の毒なことには変わりないのだが、そんなあだ名を付ける周りの子供たちのセンスにも感心してしまった。
 そう言えば、小学校一年の息子が、前に打ち明けてくれたことがある。
 「隣りの組の○○君がさあ、僕を見ると‘おにぎり!’って言うんだ。」と。
 「何それ、それで何かされるの?」と聞くと「ウウン。」と言うので「ただ‘おにぎり’って言うの?変なの。何でそんなこと言うんだろうね!」と、私も息子と一緒にプンプンしていた。そしてその晩、息子が寝た後に、ダンナにその話をしたら、一瞬考えた後、「頭の形じゃないか?」と言う。「何で?あんな三角じゃないよ。」と言い返すと、ダンナが「ホラ、逆さにしてさ……。」と言っている。
 「??……。……!!」なるほど!と思った時には、もうその○○君を賞賛する言葉がつい口から出てしまった。「うまいこと言うねぇ!」……って、それ、親が言う台詞か?!感心している場合か?!
 しかし、別に何をされるわけでも、その他の言葉で傷つけるわけでもなく、ただ息子を見て「おにぎり」と、おそらく見た感想を言っているだけなのだ。まあ、息子は何となく傷ついているようなので、一応「無視するか、いやだったら、やめろって言い返したら良いんじゃないの」と言っておいたが、子供のあだ名を付けるセンスというのは、なんとも素直というかね、強い悪意がないと、感心してしまいますねぇ。