ユニコーンの最新アルバムを聴き、DVDでアルバム作りを観て、彼らの曲作りをとても楽しいものだと知った。本で、奥田民生ユニコーン時代の話をしているのを読んでも、やはりピンとこないものがあって、DVDで、映像として初めて観てみると、なるほどなあと納得させられた。
 40代半ばのオッサンたちがフザけているように見えるのだが、その中の彼らの才能と、一生懸命練習する様子、音にこだわる様子を見て、ああやっぱりスゴイ人たちが偶然にして集まったんだなあと感じた。
 特にお気に入りは『HELLO』『最後の日』『WAO!』の三曲。
 『HELLO』は、メロディラインが難しく、多少歌いにくそうなのだが、力強くてカッコいい。ピアノの音も効果的に使われていて、和音が気持ち良く、全体の伴奏も重めで心に響く。
 『最後の日』は、リズムの調子良さと、歌詞のロマンチックな感じが単純に気に入っている。この曲を聞きかじった感じで、適当にメロディと歌詞を「こんな感じ?」と歌う夫にも笑える。
 『WAO!』は、阿部氏らしい曲で、こんな感じで作っているのかと、DVDを観て感心させられたのだが、とにかく皆が楽しんでいる。そこには、青臭いイキった感じもなければ、カッコつけた感じもない。重い伴奏だが、やはり心に響き、その中でも、素敵なメロディラインになる部分がまたロマンチックで良い。特に、その部分を収録しているところをDVDで観た時、すっかり太っちゃったらしいギターの手嶋いさむが、タッピングという技術を必死で練習している様子に、心を奪われた。うまくいかなくても、イライラせずに「あ〜」とか「はあ〜」とかうなりながら、ひたすら何度も何度もうまくいくまで繰り返し練習している。
 私、実は、自分が練習嫌いなタイプだと思っていた。でも、この様子を見て心を奪われた時に、人の練習している姿をカッコいいと心から思い、改めて、裏ではきっとすごく練習している奥田民生が好きなんだと確信した。最近の彼は、少しくらい音が外れても気にしないようだけど(笑)。とにかく、そんな彼らの様子を見て、こんなに人の練習している姿が好きなのだから、私も練習をする自分を客観的に見て、自分を好きになるのだろうと思う。
 というわけで、そんな彼の頑張りも聴こえる、『WAO!』の中のロマンチックなメロディ部分が、何度聴いても気持ちが良い。頑張っている部分も、そのロマンチックなメロディに一役かっている。