ユニコーンが再結成した。
 ユニコーンとは、奥田民生がデビューした時のバンド名である。
 ユニコーンが人気だった当時、私は高校生。女子校だったため、ショートカットの私は地味な存在でありながら、中学生で私のファンの子がいた。運動部でもない私のどこに、何故魅力を感じたのか知らないが(人気のある子は大抵、運動部か、目立つ演劇部などであった)、その子のあからさまなハート型の目に、すぐ気がついた。そして、私なんかのファンになってくれて申し訳ないやらありがたいやらで、こちらから声をかけ、時々会話も交わせるようになった。
 その女の子が「ユニコーン聴いて下さい!すっごく良いんです。」と主張していた。チラリと聴いて「変な音〜。」と、独特の和音やメロディラインに、強く印象が残ったが、偶然聞いた曲が、会社員向けのような歌詞で、「大人な歌だなあ」と思い、それっきりになってしまった。
 その後、何となく解散したらしく、奥田民生は、ヴォーカルとしても活躍する。奥田民生の曲を初めてチラリと聴いた時も「ユニコーン時代の変なメロディラインと和音は続いているんだなあ。」と思っただけだった。
 それが、夫と知り合い、音楽の好みが合うとわかると、夫が勧めてきたのが奥田民生。そしてハマった。独特の和音、メロディライン、ギターの演奏、声の力強さ、音を外さないうまさ、耳の良さ。メリハリのついた歌のうまさは、日本のポップス界、ロック界の中でも一、二を争うものだろう。そして歌詞の男っぽさ、遊び心にあふれた楽しさ、フザけたところも魅力。
 夫と知り合って、奥田民生にハマりはじめた頃に、ユニコーン時代の曲をあまり多く聴いたことがなかったので、当時出ていたベストアルバムなるものを買った。有名な曲もあったが、それ以外で初めて聴いた曲も多く、そのパワフルな感じが楽しくて、若々しくて、遅ればせながら何度も聴いた。
 奥田民生にどっぷり漬かっている今、再結成したユニコーンでアルバムを作ったと知り、聴かないわけにはいかない。
 添付されているDVDも観た。アルバム作りをしている様子だった。
 40代も半ばのオッサンたちが、約20年の時を超えて、フザけている様子は、本当に楽しかった。こんな風に歌詞を作っていっているんだといういい加減さ(笑)。収録しながらフザけては笑っている。なんて楽しそうなんだろう。
 でも、そこに、皆の才能も垣間見れた。