4歳の後半、5歳を目前にして、息子のどもりがひどくなり、さすがに私も気になり始めた。「んーーーーーーー!!」と言って頭やあご、口を自分で抑えたりしている。見るに耐えない表情で顔を歪め、苦しんでいる。気にしているのだ。
 「気にしないで良いよ。ゆっくり喋りな。」と言うと「うまく言えない!」と苦しそうな顔をし、「上手に言えないでも良いじゃない。」と言うと「上手にお喋りしたいの!」と悲しそうな顔をする。「こんなに追い詰められて……。」と見ていてこちらの涙が出そうになった。
 何故こんなにひどくなってきたのか。色々調べてみると、「ゆっくり喋ってごらん。」などと、言葉を意識させることすら駄目であったことがわかり、愕然とした。気にしないで良いなんて言いながら、その言葉自体が、息子を気にさせていたのだ。
 周りに多少笑われたり、真似されたりすることもあり、息子はさらに気にし始めたらしい。夫もきちんとした単語に言い直させたり、音の発し方を教えたり。そういったこと全てが息子にはプレッシャーとなっていたらしく、それを知らずに良かれと思ってやっていた自分をひどく責めた。
 息子を追い詰めていたのは、私たち親でもあったのだ。
 爪噛みも結構ひどくなってきており、爪切りしてあげたくても、短すぎて切る所もない。
 大人だとしたら、この両方があるのは神経症の症状である。幼児なので、そこまでではないし、言葉はまだ発達段階なので、自然なことといえばそうなのだが、何が彼をそこまで苦しめたのかと、最近与えた彼へのあらゆるストレスについて考えてみた。そして自分の至らなさを責めた。
 色々思い当たる点はあった。