5歳になってからの息子の反抗は、予想外にひどかった(笑)。まったくの予想外だ。
 5歳になったら落ち着いてくる。……という周りから時々聞く言葉を希望に、4歳のひどい反抗をしのいできた。いや、しのいできたわけでもないんだけど。かなりこっちも抵抗してしまったので、相当な言い合いになることもあったんだけどね。5歳になって数ヶ月は、4歳の反抗が嘘のように、とても良い子ちゃんだった。良い子ちゃん過ぎて、返って心配したくらいだ。しかし、4月、年長さんになってすぐトビヒになり、約3週間幼稚園を休むことに。そして4月30日に、始業式以来の通園となった。その頃からもうひどい反抗。また私も怒鳴ってしまい、息子は怒ったり泣いたり、大変な日々の開始。それから一ヶ月半ほど、息子のからみ、言いがかりは続いて、私も精神的に参ってしまいそうだった。
 でも、何とかひどい事態にならなかったのは、親しか感じられない可愛い瞬間があったからかもしれないですね。
 例えば。
 寝る直前に「お母さん」と呼びかけてきて、「身体の中の鬼って、どこにいるんだろう?」と聞いてきた。その少し前、お母さんには怒りン坊鬼と忘れん坊鬼が(笑)ミツには泣き虫鬼がいることがあるとか、息子が勝手によく言っていた。それで「さあ、どこなんだろうねぇ」としみじみ返したら「お母さんはどこだと思う?」と言うので、「ウーン。母さんも見たことないんだよねぇ。どこかなあ。」と言うと「ミツは、血液の中だと思う。」だって。そうか、そんな所に、君の泣き虫鬼がいるのかと思うと、少し切なくなった。そこで「そうかあ、血液の中なのかもね、そうかもしれないね。」と言うと、息子は口をつぐみ、スッと寝ました。
 また、私に抱っこをせがむと、「お母さんは、あま〜〜い」と高い声で言うこともあった。
 「あまい?ナンだそれ?」と聞いたことがあったけど、「やわらかいっていう意味だよ。お母さんは良い気持ち。」ってグシグシ顔をこすりつけている。ちょっとぽっちゃりさんの夫に言うと「へぇ、じゃあ僕は違うんだー。」と言うので「良いなあ。自分がやわらかくて気持ち良いかなんてわからないなあ。どんなのなんだろう〜。佳澄母さんに抱っこしてもらいたいなあ。」としみじみしてしまった。
 ちなみに夫。「じゃあ信子母さんに抱っこしてもらいな。」だって(笑)。確かに赤ちゃんでも、息子を抱っこし慣れて、たまに女の赤ちゃん抱っこさせてもらうと、ふわふわでびっくりする。あんな風に、ミツも「お父さんとお母さんとで違う」って思っているのかなあ。
 こんなことがあるから、何とかかんとか子育てやってられるんですね。
 でもでも!!……消耗もするんです。