子育てしながら、心理学の本を読んできたおかげもあり、元々の私の考えや性格もあり、息子が気持ちを発散することを押さえつけすぎてはいけないと気をつけてきたつもり。
 そうすると、息子の表情の、様々な変化に気づくようになった。
 緊張しやすい息子は、慣れない物事に取り組む時、とても身構えて、ボンヤリした風でポカンとした顔になる。我慢している時も、見た感じは、何も考えていないように見える。
 しかし、それらは感情を減らして、緊張しすぎたり、泣いたりするのを避けようとしているためで、無表情になっているだけである。そして、ありがたいことに、親に対して感情を発散できる我が息子は、そういった場面の後は、必ずすごくからんできてこちらを怒らせ、大号泣してくれる。正直、うんざりすることも多いし、すぐ喧嘩になるんだけどね。トホホ。
 だけど、大人しく親の言うことを聞いているふりをする子ではなくて良かった。大人が喜びそうな反応をして、大人がホッとするのを察知してしまうような子供ではなくて良かった。アラ、言うこと聞いてくれるのねと、思わずホッとしてしまったとしたら、夫婦して必ず「気を使ったんだね、ありがとう」と声をかけるようにしている。
 声をかけるなどの、後からのフォローは、「とても」大事だということを皆さんにも気づいてもらいたい。
 ちょっと傷つけた言い方をしたのではないか、怒りすぎたのではないか、批判しすぎたのではないか、幾ら子供が悪くてももう少し私にも言い方があったのではないか、子供はどんな気持ちだったのだろう。などなど、振り返った時に、子供と向き合う必要がある。
 こればっかりは、まあ良いか、ではない。後で後で……もダメ。子供のために、真摯に向き合う親でいないと子供の人生が台無しになる。考えることは子育てへの工夫である。逃げていては、子供に被害が及ぶ。
 私自身が、自分で自分のインナーチャイルドという存在に気づき、自ら簡単なワークに取り組んだ時、子育ての大きなヒントを二つつかんだ。