ちょっと下らない話で長くなっちゃっているが、女の人は、方角、方向に弱い。
 と書いたけど、実は、夫もあまり強くない。というか、夫は、いざとなれば、多分私よりしっかりしているのだろうけど、「いざ」ということはあまりないので、普段は断然しっかり者の夫が、ここだけは、猛烈にボンヤリしている。これでバランスを取っているとしか思えない。夫の友達にも呆れられるらしい。
 地図をサッと見て「この辺だ」と自分で言っても、分かれ道になると「こっちじゃないか?」というのが大抵間違っている。こちらも行ったことがないような所は、自信持って「違うよ!」と言えないので、戸惑っていると、やはり間違っている。そういう時の選択は、6〜7割くらいですが、私の方が合ってます(笑)。それでお互いの機嫌が悪くなって、雰囲気悪くなったこともある。
 歩いている時だって驚いちゃいます。例えば、Aという方角からBという方角に向かうとしますね。その途中で、店や建物に入ります。ドアを出た時、夫がたまたま向いている身体や首の方向次第で、平気でAに向かって歩き出すのだ。「???Aにまた用事があるのかな」と思って、遠慮がちに「何かそっちにあるの?忘れ物??」と聞いてみると、「あっ、違った?Bに向かってるつもりだけど。」とか言う。結婚当初はそうやって、少し遠慮していたけど、今はできるだけ早く聞かないと、労力が無駄だし(笑)、大抵間違えているとこちらもわかっているので、こっちだよ〜と引っ張って軌道修正。とにかく、何も考えないで、「向かっている方角が歩く方向だ」と反射的に決め付けているのだ。
 夫のそういう所が、笑えて楽しいと思うのだが、何より驚くのは、やはり女友達「たち」の方角の認識だ。
 この前も面白いと思ったことがあった。以前市内に住んでいた友人が、遊びにやってきて、別の友人宅まで車で連れて行ってほしいと頼んできた時のこと。そのあまりの漠然とした記憶、目印に、やはり大ウケだった。幸い、私がこぜまい道を迷いながら運転することが好きだったので、汗だくになりながらもとても楽しんだのだが、いやあ、女の人って面白いなあと思った瞬間だった。
 そんな風に、女友達たちの、方角の認識が、ものすごくいい加減。例えば、アパートの近所の人が、私のウチに遊びに来て、間取りも、ウチの立っている方角もさほど変わらないにしても、「ホラ、あっちの方にある○○って〜〜じゃない?」とか店の話をしたとしよう。その指す方角たるや、あらぬ方向を指差していたり、てんでバラバラだったりで、何故そんな方を指差しながら、その店、建物の話をするのだ?!と驚き、内心大ウケすることがほとんどなのだ。本当に笑えます。馬鹿にしてるんじゃなくて、私は女の人のそういういい加減な所が大好きなのだ。私にはあまりそういう成分がないけど、私の場合は、他の部分がすごお〜くボンヤリだから良いんです。このくらいはしっかりさせて。でも、その人たちの、芯がしっかり者だったりすると、そういう部分を見るのは愛らしくて大好きですね(笑)。彼女たちの、その面白い方角認識には、毎度、心からウケています。