さて、「ごっこ遊び」の楽しさをほんの少し思い出した私だが、その世界に入るまで、やっぱりちょっと面倒臭いと思うこともあるし、息子の入り込んでいる世界についていけずに試行錯誤することがある。
 ウチの中にいて、本格的にごっこ遊びをしている時は良い。
 しかし、外でヤラレると、その境目がわかりにくいのだ。ただ反抗しているだけなのか、疲れていてグズグズしたいのか。ぬいぐるみ、ブロックなど、何も使わず、自分の世界に入って、何かになりきったりするので、少し戸惑う。
 この前は、おやつを通じて、何かごっこ遊びをしたかったようだ。
 我が家では、3時過ぎないとおやつは食べられないと教えている。胃も休めなくちゃいけないしね。もちろん、どこかへ移動したり、朝食、昼食がズレこんだりした時には、融通を利かせるようにしているし、仕方がないねと言い合って早めに食べたり遅めに食べたりすることもある。
 その日も、外に出ていて2時50分頃のこと、「そろそろおやつにする?先に用事を済ませようか。」と聞くと「え〜。3時になってからじゃないと、おやつ食べないんだよ。」と言うので、用事を済ませた。3時10分。「おやつ食べようか。」と切り出すと「え〜まだ3時じゃないよ。」と言うので、時計を見せながら「3時過ぎてるよ。」と教えるが「え〜3時じゃない。3時過ぎてからおやつ食べるんだ。」と言い続ける。
 その日の私は疲れていたので、反抗的になっているのかなと面倒臭い気持ちで「じゃあ、お母さんはコーヒーでも頼んでるね。」とカフェでコーヒーを頼み、テーブルで飲んでいた。ところが「3時過ぎないかなあ〜。」「お母さん、3時になったら教えてね。」「3時になったらおやつ食べるんだ。」としつこい。「だから3時になってるってば。」と言うと、また「え〜まだ3時じゃないんだよ。」と返す。「3時にならないかなあ〜。お母さん、3時になかなかならないね。」とまだ言うので「お母さんが何て返事したら良いんだい?」と聞いても「何にも言わないでも良い。」とか言う。その割に「3時に早くなってほしいなあ。」といつまでも言うので、やっとわかってきた。そうか、これも息子のごっこ遊びなのか。まともに返していては、いつまでも続いてそのうち本格的にグズりだすぞ。
 そこで、「そうだねぇ、早くおやつ食べたいよねぇ。」と返事してみると、案の定のってきた。「そうなんだよ〜。まだ3時じゃないからねぇ〜。」なんて、しみじみ言ってみている。そこで「今日は3時になってなくて、ちょっと早いけど、早めのおやつを食べてみようか!」と言ってみると「ウン、そうだね!そうしてみよう!」
 ……だって。……疲れる……。
 しかしそうか、まともに答えるんじゃなくて、息子の世界に入り込んで「まだ3時になっていないつもり」で返事をしてやれば良かったのだとわかった。思いついた私に拍手!すごいぞ私。
 そんな世界を楽しんだことも確かにあったよ、ウムウム。
 しかし、大人になってから「急に」その世界に入るってのは難しいもんだなあ〜。