5歳の息子が、幼稚園で「はないちもんめ」を日々やっていると聞いた。
 「はないちもんめ」と言えば、私の場合は、小学校一〜二年生の時に大流行した。負けた時に、相手を追い回してどこまでも走っていく楽しみ。勝った時も逃げてどこまでも走っていく楽しみ。いちいちキャー!!!ギャー!!!……と大盛り上がりするのだ。
 初めて知ったのは、帰国子女だったので遅めだったのかもしれない。大きなウチに住んでいたお嬢さんの誕生日会に呼ばれて、庭で皆ではないちもんめをした。まだ引越ししたてで、あまり名前を知られていない私は、日本の美味しいお菓子(本高○屋のエコルセという有名だと思われるお菓子)をしみじみ味わっていて、「はないちもんめ」が始まってもまだ執着していた。そのため「お菓子さんがほしい」と言われて、皆が笑ってこちらに注目され、初めて「あっ私のことか」と気づいた。可笑しくて自分でも笑っていたが、その雰囲気が好きで、「はないちもんめ」も好きに。
 さて。そんな色々懐かしい思い出のある「はないちもんめ」。息子が「一人じゃできないよね。」と笑っている。そうだね〜と適当に相槌をうっていたら「二人でもできないねぇ。」と言う。「そうだね、すぐ終わっちゃうね。」と言うと、「じゃあちょっとやってみようか!」と息子。えぇえ〜〜面倒くさいなあ。と思いつつ、どうせ一回で済むんだからと、二人で向かい合ってみた。
 息子は、私の方が「勝ったつもり」から始めようと提案した。なので、「かあ〜って嬉しい〜 はないちもんめ」と言った。そして息子が「まけ〜て悔しい はないちもんめ」。それから私が「た〜んす ながもち あの子がほしい」と言ったら、息子が文字通り「キョトン」とした顔で立ち止まった。「‘あの子がほしい’だけだよ。」と言う。
 ナヌ?!
 年代の差なのか、はたまた地域性なのか?
 夫に聞いたら「う〜ん。僕の所も‘たんす ながもち’はなかったなあ。それって何か関西っぽいよね。」と笑っている。
 そこで、「はないちもんめ たんすながもち」で検索してみました。その結果……。
 「たんすながもち」は関西のものだとわかった。あぁあ恥ずかしい。確かに何か庶民的。「たんすながもち」って。私は生粋の兵庫っ子ではないけど。祖父祖母まで遡ると、北海道、岐阜、岡山の血が入っており、幼い頃をそこで過ごした両祖父母が、兵庫に来たのだ。宝塚に生まれ、幼い頃はニュージャージーで過ごして、生粋の関西人ではない私が、思わぬところで関西人であることが、時々発揮される。これが何とも気恥ずかしい。関西の良さと嫌なところと知っているから、根っこの所では好きなんだけど、言い切れないものもある。だから、この気恥ずかしさを何と言おうか。
 「はないちもんめ」自体には、色々胸の痛むような背景があったりするのだが、こういった遊びに代表される地域性に関しては、本当に面白い。