大好きな映画として、真っ先に思い浮かぶのは『マイ・ガール』だ。
 前回も書いたように、私の映画の好みは、かなり素人くさい。しかし、それほど観てないし、評価の仕方は自由だし、私の個人的な好みだし、構わないのだ!
 で、私の大好きな映画は『マイ・ガール』。
 一番好きなのは、実は背景の音楽。楽器だけを使った曲なのだが、CDを買って、その曲だけしつこくリピートし続けて聴くこともあるくらいに好き〜。ちょっと懐かしいような、哀愁ただようような、寂しげな、それでいて心が洗われるような、さわやかになるような、そんな曲。わからないか。ハハッ。
 内容についても好きなんだけどね。
 思春期の入り口にいる一人の女の子が、成長していく様子。自分が生まれた時に亡くなってしまったお母さんのことを心に引きずり、お父さんの新しい彼女の存在に嫉妬、抵抗しながらも、ほんの少し心を開いていく。お父さんは葬儀屋で、おばあさんは認知症で、お父さんの彼女は遺体に化粧をするという仕事。主人公の女の子はその環境や、お母さんが自分のせいで亡くなったのではという潜在的な罪の意識から、まったく何でもない時でも「病気になった」とすぐに医者に行く。その女の子に思いを寄せる男の子がいるが、女の子はその男の子のことを親友だと思っていて、二人だけの秘密などもある。ところが、その男の子は、ある事故で亡くなってしまうのだ。女の子は、自分が思いを寄せていた先生の所へ行くが、その先生にも彼女がいることを知る。
 とても胸が痛む話だ。主人公の女の子が、常に「死」を意識して、悲しくもあり、健気な感じがするのが、「女の子」の心象風景をとてもよく表している。感受性がそこそこにある女であるなら(笑)、彼女に共感しない人はおそらくいないだろう。共感したからと言って、感動するとか、好き嫌いは別なのだろうと思うが、しかし私は心を動かされ、大好きな映画。何度観ても、涙が出てしまう。親になった今もやっぱり泣いてしまう。それは、男の子が亡くなること自体よりも、その時の女の子の心の動き―切なさ、胸が苦しい感じ、死への恐怖と悲しみ、母親への思い―が、手に取るようにわかるからだ。それがわかるように、それまでのシーンが積み重ねてある。そして、大好きなあの曲がかかる。彼女は間違いなく成長していく。
 映画の最後の方に、誰かが亡くなるという話は、どんな名作でも大嫌いだ。どんなに優れた名作だと泣かされても、悲しい話だから大嫌いなのだ。でも、この映画は大好きだ。特別。話のテーマが、あからさまに、「女の子の心の成長」に絞られているからだろうか。私自身にもよくわかりません。
 この映画の一番好きなシーンは、あらすじと何ら関係のないところだ。自分の魅力はどこなのだろうと、お父さんの彼女に聞いてみる場面がある。
 その彼女さんの誉めっぷりが、とても思いやりがあって、心がこもっていて素敵。私に、もし娘がいて、もしその娘が外見に自信がなく、「私ってどんな風?」と尋ねられたら、こんな風に言ってやりたいと思った、私にとっての名場面である。