4歳後半の息子に、再び音楽ブームがやってきた。半年くらい奥田民生にどっぷりつかってからその後半年程度、熱心に音楽を聴くことが少なくなっていた。
 4歳だと、半年というのは、まだまだ大きな差がある。改めて聴いてみると、さらに言葉が聞き取れたり、その言葉の意味がわかったりするようになっている。『息子』を聴いて「‘半人前’だって〜!‘いっちょまえ’って言ってるよ〜。」と笑っている君の方が面白いよ。今更……。
 また以前は、お気に召さない曲というのはわずかで、ほとんど全部を好んで聴いていたが、今は好みが細かい。相変わらず『まんをじして』『イージュー☆ライダー』『息子』『近未来』『BEEF』『野ばら』『愛のために』『花になる』『トリッパー』が好きなのも不思議。何がそんなに君の心を捉えるのだ?
 さて、そんな息子がNO PLANにハマッた頃があった。
 ‘NO PLAN’は、笑いのカテゴリーで書いた「内P」という、ウッチャンが取り仕切っている番組の中から、レギュラーメンバーを集めて生まれた。「さまぁ〜ず」「TIM」ふかわりょう、とウッチャンの6人が歌うグループ。お笑いの人たちだし、プロのミュージシャンでもないしで、音程もリズムもいい加減なものであるが、何より味わい深いのが良い。
 3歳の頃の息子は『前略・露天風呂の上より』や『玉職人』などがお気に入りで、時々真似をしていたのだが、改めて聴いてみると違うようだ。中でも『NO PLANの人生という名の列車』なんて、なかなか味わい深い歌詞の曲に夢中。30〜40代になった人が聴くと共感できるような歌詞だ。生まれてから今までを列車に例え、その途中途中で、子供時代から学生時代の頃のこと、今よりもっと未熟だった若い頃のこと、を振り返り、今に至っているが、俺たちまだまだだよなあという内容。その内容の不器用な感じと歌い方の素朴さがピッタリで、特に「さまぁ〜ず」の三村のファンの私は、彼が歌う「愛する人と二人の可愛い道連れがいて」からのくだりが大好きだ。音痴で涙もろい彼の声がピッタリ来る。
 ま、もちろん「味わい深いなあ〜」なんて息子が思うわけもなく、「8時集合みんなで‘おい〜っす!’」のところや「一気、一気、一気、一気!本当にバカだった〜」のところが大好きで、そこをいつも真似している。勝手に考えた振りをつけて。
 「いっけい!いっけい!いっけい!いっけい!!……本当にバカだった〜」
 ……「いっけい」って。ナンだよそれ。俳優かよ。