ザ・クロマニヨンズが、以前ブルーハーツからハイロウズになった時、彼らのあまりのパワーに圧倒されて聴けないこともあったが、しばらくして聴け始めた時、大人になった私はまた彼らの気持ちに心を動かされた。
 『14歳』。目や耳から受けた情報からの衝撃を歌うことから始まり、最後の「レコードのスイッチを押したら、いつだって14歳に戻してやるぜ」に、懐かしさと泣きたくなるような時の流れが胸にせまってきた。
 『不死身の花』で、苦しむ私たち一人一人に、そして世界中の苦しむ人たちに、何かメッセージを送っているような気がした。
 そして甲本ヒロトの作詞した『千年メダル』。こんなロマンチックな歌詞が書けるんだ!何て素敵なんだろう。それを楽しいメロディに乗せて、ますます心に響くものに仕上がっている。「例えば千年 千年じゃ足りないか できるだけ長生きするから」「このメダルをキミが受け取ってくれないか」ここがどうにも胸を打つんですねぇ。人はいつか亡くなります。この地球も、太陽系も、いつかなくなるわけで、そんな時にも、僕は君を愛しているよというメッセージが含まれている気がして、「永遠」という言葉だけよりもじんわり心に染みてくるのだ。「僕はずっとずっと愛しているよ」って、ただそうやって書くより、もっと素敵。もしも日本で披露宴らしい披露宴をしたとしたら、私はこの曲をその中の重要な場面で流してもらいたい。
 そして『日曜日よりの使者』。これもすごくロマンチックですね。これを初めて聴いたのは、夫も私も結婚前の付き合っていた頃で、週末になると一日中一緒にいたわけだったから、日曜に会えることがこの曲と重なって、夫は私のテーマソングだと言ってくれたことがある。そうか、私は日曜日よりの使者なのだ、とおめでたく真に受けて、大好きな曲になった。これも披露宴したなら(なんでしょね、この妄想 笑)、入場曲にしたい。
 その他に、すごく詩的な激しく美しい歌詞があるかと思えば、全然真面目さのかけらもないフザけたような歌詞があって、その中にさらに意味のない言葉の羅列もあったり、パワフルでありながら楽しい彼らの曲。
 今、4歳の息子がお腹の中にいる時、ハイロウズの曲を聴いていると、しゃっくりの感じではなく、リズムを打ってお腹を蹴っていることがあった。偶然だっただろうが、それがとても楽しく、初めて3人で曲を聴いて楽しむ感じを味わった。