そんなわけで、プラネタリウムを観に行くことになった。
 これがねぇ、面白かった!!
 息子はさすがに疲れたようだったし、最後の5分は「おしっこ」と言い出したので、二人してハラハラ、心ココにあらずだったが、努めてささやき声で話しながらも、何とか45分見続けることができた。
 実は私も、小学校一年生の頃、惑星が好きで、当時はニュージャージーの小学校に通っていたので、惑星を順番に全部英語で言えた。しかし、当然なのか、それはすっかり忘れてしまっている。せいぜい「水、金、地、火、木……」という誰もが知っている惑星の順番を日本語で言えるくらいだ。
 星座のこともそう。小学校六年生の頃、受験勉強の中で、春夏秋冬の有名な星座や、その中の有名な星を覚えた。「さそり座はアンタレス(アンタです)」なんてベタな駄洒落を言う先生に、脱力しつつウケた覚えがある。でも、ほとんど忘れてましたねぇ。今や夜空でわかるのは、北斗七星、北極星カシオペア座、オリオン座くらいで、こと座のベガとか、おとめ座のスピカとか、山ほど覚えたけどすっかり忘れていた星座を、息子は思い出させてくれた。「思い出させてくれた」と言っても、「あー!そうだった!」と言ってはまた忘れていくんだけど(笑)。って、笑ってちゃ駄目か(笑)。
 で、惑星のことはほとんど知らないも同然だから、息子が色々教えてくれるのをそうやって大半は忘れていきつつも、少しは覚えていくわけです。
 そうすると、プラネタリウムの楽しさ倍増!
 ‘近くの山から夜見える星’というのを参考にしながら、この季節に見える星を紹介してくれる。
 中でも心を奪われたのが、さらに少し暗くして、星を見えやすくした後、夜空を西から南へ動かしてくれた時だ。実際の星は速く動くわけがないし、少しずつ動くにしても、西から南なんて強引な動き方をするわけがない。でもプラネタリウムの特権。満点の星がぐぐーんとゆっくり動いた時、何だか胸がいっぱいになって涙が溢れてきた。
 色々理屈をこねようとしたが、結局ただ「なんか感激した」からとしか説明できない。胸にせまってくるものがあって、本当に素敵でした。