息子は、とにかくよく喋ってうるさいくらいで、言わなくて良いことまで言う。
 今回は、息子の発する「いやな気持ちがする言い方」について書きましょう。いつも可愛い言葉を書いているから、たまには許して下さい。ごめんね、息子。
 こちらが台所で一生懸命晩御飯を作っているのに、「母さん、見てててね。」とわざわざ呼ぶ。何かと手を止め振り向くと、オモチャのギターを持って、ロックのギターリストのように、ノリノリな感じで弾いている。「あはは!」とウケると、また調子に乗って「母さん、母さん、また見て〜。」と言う。手を止めて振り向くと、ちょっと違う持ち方で、またノリノリで弾いている。「ほほう、さっきとは違う持ち方で面白いねぇ。」これが延々、晩御飯作っている間中繰り返されたことがあった。「そんなに根気良く付き合うからよ。」そうなのよねぇ、でも適当にしてても、私の視線を追って、見るまで「見てててね、見てててね。」としつこいのだ。「て」も一つ多いしさあ。見てしまうと、無反応というわけにもいかないしさあ。
 ま、こんなのはとっても面倒臭いにしても、まだ良いでしょう。こういうのよりいやなのは、わざといやな言い方をする時ですね。言葉を使いこなせ、それを駆使したいのか、自分で意識的にこういう言い方をしているにしても、さほど悪気はないだろう。それにしてもね、
 「たこ焼き好きじゃないんだー。だから1個しか食べない。」
 これをどう思いますか?
 息子の真意は「最近、たこ焼き食べてないから、食べたいなあ。1個で良いんだ。」なわけですよ。じゃあそう言えば良いのに、うっとうしい言い方でしょう?(笑)好きじゃないって言われたら、じゃあ食べなきゃ良いって思いますよね?最初は「そうだった?じゃあたこ焼きはやめとこうね。」と返事するわけだ。ところがその後も、繰り返し言ってきて、何でこんなにしつこいんだ?!と思った時に、ハッとするんですねぇ。あっ、1個で良いから食べたいのね。と。じゃあ何故そう言わん!とこっちはちょっとカチンとくるのだが、まあそういう言い方を楽しみたいんだろうと思いつつ、細かくてもどうしても指摘してしまう。その言い方はいやな言い方だよ。と。まあねぇ、どこまで細かく言って良いものやら、適当に流せば良いのかもしれないけど、聞いている私がイラッとくるからしょうがない。
 他に見つからない物があった時。「○△はどこ行った?さっきまで遊んでたでしょ?」と聞いた時、「知ーらない。こんな時どうする?」とくる。しーらないってのもいい加減いやな言い方だが「こんな時、どうする?」ってそりゃアンタがなくしたんでしょうに、君が責任を取ったらどうなのよ。と、やっぱりイラッと来てしまいますねぇ。
 他にもっとたくさんあるのだが、このくらいにしておこう。息子の成長の証なんだものね。良いこと、と言い聞かせて。ま、こんな些細なやり取りを繰り返しつつ、イラッときたり、こっちも細かいなーと思いつつ指摘したりの毎日なのだ。