少し前の話なのだが、旅行した際、息子と水族館に行った。
 以前は、払った料金が無駄だ……と悲しくなるくらい、水族館に行っても水槽の魚には目もくれず、館内を駆け抜けて、あっという間に出口だったのだが、4歳になるとさすがに色々わかってきたのか、多少は楽しめるようになってきたようだ。
 最初に、タイミングが良くて、ペンギンの餌やりの場面を見ることができた。
 係のお姉さんがペンギンの種類や個性を少し説明しながら、餌をやる。ペンギンたちは、思い思いに餌をもらいに行ったり、合間に泳いだりする。それを一生懸命見ながら、息子は「ねぇねぇ、ペンギンさんて、どこでウンチするのかなあ?」と聞いてきた。終わってもしつこく、「トイレはどこなんだろうねぇ。」とか言っている。
 そうだね、ちゃ〜んとトイレで意識的にオシッコやウンチをできるようになったものね。気になるのかな。そう思って笑っていた。
 そのうち、イルカショーの時間になった。最近のイルカショーはただ見るだけじゃないんですねぇ。観客にも色々掛け声かけさせたり、手拍子させたり、こちらにも参加させてくれる。ちょっとうるさくて注意散漫になるなあとか色々思う親をよそに、息子は、その雰囲気にのまれつつ、ぱあっと明るく楽しそうな顔になっていた。手拍子したり、手を振ったり、すごく楽しんでいる。そして、イルカが飛んだり、餌をもらったり、泳いだりする度に、熱い視線を送っている。
 しばらくショーを楽しんだ後、イルカが、ちょっと違う水槽に移った時、すかさず言ってきた言葉が……
 「イルカさん、今ウンチしてるのかなあ?」

 ……。

 息子は、水の中の生物たちが、いつどこでどうやってウンチしているのかばかりが気になるらしい。