息子は、寝ることに関して、私を大いに悩ませてきた。
 0歳3ヶ月頃〜1歳半頃まで、1〜2時間おきに泣いて起き、ひどいと2〜3時間ぶっ続けで泣いていた。やっと寝たと思ってそっと置き、こちらもやっとウトウトしかけると10分後位に泣く。これを延々数時間繰り返されたこともあった。昼寝はあまりしない方だったし、夜寝付くのにも、平気で1時間位かかっていた。
 1歳半頃〜2歳半頃までになると、数時間おきに泣くが、背中をトントンすると寝てくれるようになった。抱っこしなくても、すぐに寝てくれることが、どんなにありがたかっただろう。
 2歳半以降になると、昼寝をしなくなった。昼寝をさせるのにも、いつも相当な苦労をしていたのだが、昼寝が5時頃〜30分位という風になると、夜11時頃まで眠れなくなるので、昼寝をさせなくなった。しかし、ドライブ中などうっかり車の中で寝てしまうと、やっぱり11時頃まで眠れない。そうなると、寝かしつけから数時間、じっと横で我慢して添い寝しなければならない。あまり話をしたり、歌を歌ったりすると、すぐ興奮してくる息子なので、最初の30分位しか歌や話は楽しめない。退屈なのだ。
 4歳の今は、やはり寝付くのが下手だ。何しろ、目をじっと開けているのだ。目を閉じて、と言っても一瞬で、すぐに目を開けてキョロキョロ。そういう気質なのだろうが、寝る前に今日あったことを考えるようで、ブツブツその日のことを口にしたり、今この瞬間に考えなくても良いようなことを私に質問したりする。そりゃ寝付けんわ〜と横で聞いている。
 体をよく動かすと早く眠れると言うが、息子はいくら体を目一杯動かした日でも、やっぱり寝る前にアレコレ考えてしまうようで、疲れているのに眠れない、といった感じ。
 しかし、何度か目をつぶらせていると、やはりいつもよりは早く寝入ることが判明したので、こちらも一生懸命目をつぶらせるようになってしまった。
 その手段たるや、いわゆる「脅迫育児」。かもしれない。
 『ねないこだれだ』(せなけいこ さく・え 福音館書店)という有名な赤ちゃんの絵本がありますよね。それを利用しちゃってます。すみません。寝ないとおばけさんが連れて行っちゃうよ。目をつぶってたら見えないから大丈夫だよ。って。心理学、勉強している人の言うことですかね。
 幸いと言うべきか、ほんの少しだけの効果しかない。ま、息子の性分ですな。「怖い」とか言うのは、一時的なもので、数日したらすぐ目をつぶらなくなった。「どうして目をつぶるの?」とか「何で起きてたら駄目なの?」と、わざと「おばけさんが来る」と言わせようとしている風でさえある。おばけさん、どんなかな、聞きたいって好奇心の方が勝っちゃってるんだね。逆効果。おばけさんの話をしても、やっぱり一瞬しか目をつぶらない。
 その後も、「怖い」とか言いつつ、目をパッチリ開けて、寝る前の時間を一人楽しんでいる。それも「本当に一人で」楽しむわけじゃないんだよねぇ。「母さんと一緒じゃないと眠れない。」とか面倒臭いことを言うんだよねぇ。でも、そのうち一緒になんか寝てくれるわけないから、ヘイヘイ是非とも、とご一緒させていただいてます。