お笑いの人ではないんだけど、バラエティータレントでもない、舞台役者のカテゴリーに分けられると思いますが、「水曜どうでしょう」の大泉君も応援している。彼の所属するチームナックスのメンバーも全員ね。特に音尾くんは男の子らしくて可愛い。しかし、ワタクシ、実は藤村Dが好きなんです。
 「水曜どうでしょう」は、北海道のローカル番組。―として始まり、長年それを続けてきた。今やほとんど全国で放映されている。色々な企画があるが、まあ「旅番組」というのが一番近いだろう。それも、あまり観光地やら、景色を写すことの少ない変わった旅番組。人がほとんどだ。車の中で喋る人。電車の中で喋る人。笑う人。寝る人。「人」というのも、写るのは大泉洋か、鈴井貴之(一応社長なんだけど……)だ。あとのメンバーは、カメラを回す兼ディレクターの嬉野君と、ディレクターの藤村君。年上なので、「君」と呼ぶのはちょっと申し訳ないのだが、我が家では勝手に親しみを感じて、そう呼んでいる。
 まあ旅をしている人ってこういうもんですよねぇというのが伝わってくる番組だ。藤村君というのが、ディレクターなのに、とても大雑把で適当なのだが、彼の間抜けっぷりやユーモアや、優しさなんかが伝わってくるととても温かい気持ちになります。あーこんな風に人を気遣ってるんだ、こんな風に言いながらここだけはイジらないであげてるんだとか、ほのぼのします。無責任そうに見えてるけどね。いや、画面を通じても、何といい加減な……と呆れることもあるけどね。でもそういう適当なところをひっくるめて、人間てこれで良いよなって、安心してしまう。こんな思い切ったところがなくちゃーとか。こんな適当な人がそばにいると気が楽だなあとか。「どうでしょう」は主に4人で構成されているので、もちろん引き締め役がいたり、冷静な役目の人がいたり、その時その時で、その役目が変わることもあるし、仲の良い男の人の旅って良いなあと、しみじみ思う。ものすごく自然に、楽しそうに話しているのを見ると、それも良いなと思う。仕事とかじゃなくて、他愛もない話に加わったり盛り上がったり、笑ったりしている男の人たちって本当に見ていて温かい気持ちになる。特別な世界というのか、あの雰囲気は女の人には作れない。無邪気っていうんですかね。損得勘定なく、面白いこと言ったり、ちょっとしたサービス精神を発揮したりして、それで旅を楽しいものにする。どちらかと言えば、特別な旅というより、日常に近い。男の人の日常。いや、もしかしたら、皆あんなものかもしれない。人間臭くて、シャキッとしてなくて、フザけてて、悪態つきあいながら、でもちょっと気遣いがあって、ほんの少し優しい。
 気心知れた友人とか家族の中なら、緊張感なく、そういう日常のやり取りの延長に旅がある。そういったものを何の気負いもなく、ただ楽しみ、それを面白く編集してある。ま、大泉くんには「面白いこと言えよ。」としょっちゅうせっついているようだけどね(笑)。
 でも、そういう編集をする藤村D。画面から伝わる人間臭い、気負いない感じ、それでいて面白可笑しく伝える。実はなかなかの手腕だと思いますぞ。