馬の歌で
 ♪ おうま(おんま)はみんな、ぱっぱか走る ぱっぱか走る ぱっぱか走る
   おうまはみんな、ぱっぱか走る 面白いな〜
 というのがありますよね。
 息子が、幼稚園で習ってきたらしく、「お馬の歌、好きなんだ〜」と言って、歌ってくれた。
 「聞いててね!
 ♪ ホンマはみんな、ぱっかか走る〜〜〜」
 「……。」
 「ぱっぱか」が「ぱっかか」になるのは仕方がないだろう。でもさあ「お馬の歌」って自分で言っておきながら、そこは「ホンマ」になるんだ……。
 そのうち、「ホンマはみんな」が「ホンマにみんな」になったり「ホンマのみんな」になったりしていたが、でも肝心のそこは「ホンマ」であることにブレがない。

 数日後、近所の「本間さん」親子をチラリとお見かけし、挨拶した。そしてその夕食時、「あれっ?」と言って息子が椅子の下をのぞいている。そして「本間さんだった。」と言う。何故今このタイミングで?と不思議に思い、私も下をのぞいてみたら……馬のおもちゃがあった。「本間さん」て……。頭の中でツッコミを入れつつ、ちょっとふきだしちゃったけど黙っていた。
 しかし、訳もわからず「ホンマ」って言っているわけじゃなく、馬=ホンマって、息子の頭の中ではしっかりとつながっているのかあ。

 訂正することもなかった数週間後、とうとう息子の方から聞いてきた。
 「母さん、馬のことを‘ホンマ’って言うの?」
 なるほど、馬のことを別の呼び方で、「ホンマ」って言うと思い込んでいたのか……。
 野放しにしていた息子の間違いを、ここで初めて直すことになった。直しちゃうの、ちょっともったいな、なんて思いながら(笑)説明をした。聞いているんだか聞いていないんだか、ちょっと上の空のようだなあと思いながらも一応。
 そして、その数時間後。
 モノポリーというボードゲームをしようとした時、馬のコマを持って「ミツは、この‘ホンマ’にする!」と言っていた。またふきだしちゃったけど、黙っておいた。まだまだ続きそうですな、フフフ。