さらに、内科の女医さん以外でも、信頼しきっている人がいる。
 女性の指圧師さんだ。指圧の良さは、以前にも書いたが、上手な人に当たると、本当にちょっとした体の癖やそれによる痛みなら、一時的にでも治してしまえる。
 この方も私より8歳位上だったっけ。
 気の合う美容師さんと良い指圧師を見つけては紹介しあっていた頃だ。しばらく二人は、同じ指圧師に係っていた。が。その腕の良い指圧師が、なんだか急に「気だ」と目覚め始めて、「気を入れる」と言っては指圧してくれなくなった。実際に効くかどうかは別として、こちらとしては、単に指圧してもらいたい。自律神経がそれで整うのだから。
 そんなことされるのならヤメだ!と思っていたのに、さらにその指圧師さんから、宗教的なハガキが届いて、美容師さんと二人でげんなり。悲しみましたよ。
 それからまた指圧師さんを探す日々。
 近くにショッピングモールができて、そこに全国にチェーン店のあるリラクゼーションの店が入った。大した効果は期待せず、とりあえずは自律神経を整えるべく、リラックスしよう、誰か背中をじっくり押してくれーという気持ちだった。
 まあまあの腕前だったので、二度三度と通ううち、一人の女性指圧師さんと出会った。
 その女性は、力加減がものすごくよくわかっていたし、どこが悪いだの、淡々と言い当てた。そして、どうしたら改善できるか、1つ2ついつもポイントを教えてくれた。
 それから、毎回その人に指圧をお願いするようになる。
 
 ところが、私が札幌を去ることになり、お別れとなった。ここでオシマイ。
 ……となるところが、違った。
 夫の両親は札幌に住んでいるし、夫の元の職場があることで、札幌に行く機会は、年に何回かできるのだ。それで、今住んでいる所に、どうしても良い指圧師が見つからないため、その女性と連絡を取ることになった。
 彼女は店をやめていた。それで、新しい整体師さんの所で働くことになりつつあった。そこはきちんとした治療院であり、保険も効く。
 これで、札幌に行く度に、1〜2回はそこを訪れ、お世話になることになってしまっている。彼女の信頼できるのは、私の体質をよく知っていること。寝違いなら寝違い、頭痛がするなら頭痛など、悪い所を、その日のうちに治してくれること。どうしても一回で治らなければ、そこの院長である整体師さんにちょっとだけグキグキっとやってもらう。これが、全然痛くない。痛がりで、大袈裟だと言われる私が「痛くない」と言うのだから、本当なのだ。
 腰が痛い時も、絶妙な力加減で指圧してくれて、しかも一番悪い所を探ってくれる。グイグイ力任せじゃないし、適当にもんで誤魔化したりもしない。指圧しながら、しっかりと治していってくれる。とりあえずしばらくそれで自分の健康状態が保たれる。
 この方がいなかったら、今の私はいません。