お笑いで、他に好きな番組は幾つもあるが、今回挙げるのはM-1だ。
 夫も大好きなので、毎年見ていて、DVDもすべて購入している。優勝したコンビは、やはり毎年、ピンと張り詰めたものがあり、極限の状態で、彼らの中でも一番の出来栄えなのではないだろうか。

 前回は、ゆるい面白さが好きなさまぁ〜ずの話をしたが、最初の年に優勝した中川家も相当好きだ。漫才がテンポ良く、内容も素晴らしく面白い。
 個人的には、パニック障害のある、あのお兄ちゃんの方が好き。
 やっぱり彼の不器用な感じが、私にはたまらないのだ。もちろん弟の多才さあっての二人だ。弟のモノマネ、特に「どこにでもいるようなおじちゃんやおばちゃんのマネ」は抜群。お兄ちゃんの不安定さを支えてきた弟は、一生懸命で優しい。しかしだね、弟の物真似なんかを見て横で大ウケしているお兄ちゃんの無責任で乱暴な感じが、これまた良いのだ。弟って面白いよなーと本気で思っていそうなところがね。
 ネタはどうやって作っているのだろう。二人の漫才を見ていると、弟の才能だけではないところが垣間見える。それに、お兄ちゃんの演技力には感心してしまう。台詞を忘れてしまったような顔をしてみせるが、あれがどこからどこまで本気なのか演技なのかがわからない。それをさらにネタにしてしまう弟。
 でも、そんな不安定で気の小さいお兄ちゃんが、大舞台で漫才やってる時って、そういうのをひっくるめた自分をあきらめて、仕事に臨んでいる、その感じがまたたまらんのだね。彼は柔和な顔をして、本当は、すごくお笑いに厳しい人だと、そんな印象をテレビからは受けている。
 しかしですね、好みの話ですが、三村にしても、中川家お兄ちゃんにしても、照れて目の両横のシワの辺りが赤くなったりすると、「アラーン可愛い」と思ってしまいます。
 「ソツのない人」がむしょうにいやなんですねぇ。うまくやってのける人、そしてそれを良いと思っている人、特に女性で多いですよね。そんな風に思う人もいや。うまくやれなくて人間。そこを軽蔑するような人は器が小さいというのか、バカにしているような人は傍から見てて不愉快だし、そういう本人こそ相当カッコ悪いですよね。あー自分の器が小さいことを認めているようなもんじゃないのって。そんな風に思う私はもっと小さいのかもしれないけどね。ハハ。