息子はとてもよく喋るのだが、そのことを象徴する話を一つ。
 高熱を出し、嘔吐と下痢で何も食べれなかった3歳の夏のこと。係りつけの小児科に行くと、点滴をすることになった。
 息子は病気や風邪でもウロウロ結構元気にしていたり、横になっていてもずっと喋っていたりする。余程の時は、そりゃグッタリもするが、4歳まで何度ひいたかわからない重い風邪でも、グッタリ寝ていたのはせいぜい2回くらいだ。赤ん坊や小さい子供ってそんなもんらしいが、息子はある程度大きくなってきてもそうだ。8度くらいの熱では、横になってくれない。点滴している部屋でも、皆グッタリしているのに、我が子だけは違うのだ。この子に点滴は必要なのか?!と周りの人は思っていたに違いない。
 ま、一日目はまだ40度くらいあったので、比較的おとなしくしていた。
 そして二日目。熱は少し下がったのだが、まだ食べることだけができない。前日にも「明日も○時〜点滴に来て下さいね。」と言われたし、長時間の点滴を受けることになった。
 その日も皆はおとなしくしていた。のに、息子は1人で「○△は?」「ふーんそっかー」「△□は?」と点滴周辺の物に興味があったり、前日とは違う病室なので、何かと気になるらしく、あれは何、これは何とうるさくて仕方がない。そしてその度に咳込み、私が「喋ったら咳込むよ。静かにしてたほうが良いよ。」と言うのだが、「静かにしてるとは?」(当時の息子の独特の言い回し。「静かにしてると、どうなるの?」という意味。最後の「は」が余分だ)
私「咳が落ち着くから」
息子「咳が落ち着くとは?(咳が落ち着くとどうなるの?)」
私「風邪がよくなるよ。」
息子「良くなるの? ゲホゲホゲホ!!……ミツくん風邪気味だわ…。」
私「風邪気味じゃないよ。風邪だよ。(それにそんなこといちいち言わないでもわかってるよ)」 *これがまた本当に咳き込む度にいちいち「ミツくん風邪だわ…」とか「ミツくん風邪…」とか言う。
息子「風邪気味じゃないの?風邪なの?風邪だとは?(風邪だとどうなるの?)」
私「しんどい、ってなるでしょ。(もうだいぶウンザリしている)」と、ずうぅ〜っとこんな調子。
 喋り相手していると、付き添いするのも疲れました〜。