母親は、教育大学の音楽科を出て、長年、バイオリンの先生をしていた。オーケストラに参加していたこともある。
 私にとっては、自慢したい部分だ。お陰で、バイオリンを聴く耳だけが素人なりに少し肥え、私も3歳からピアノで多少精神的にも鍛えられた。本格的にはせず、練習もしなくなってるけど。だけど、やっぱり音楽がとても好きで、ストレス解消に聴き続けている時があったり、静かな時間が過ぎる方が適した場面でも、音楽、音楽、と我慢できない時があったりする。コンポで聴いたり、家事の最中や歩いている最中にi-podで聴いたり。私は車の中でも「時には静かに」「時にはラジオのトークを」とはならないんです。常に音楽。音楽。音楽を聴かせて〜。そんな上品な音楽じゃないけどね。アハ。でも、こういう‘音楽を聴きたい欲’がとても強い時は、母の血かなと思う。
 その母親も、ニュージャージーに住んでいた時は、様々に洋楽を聴き、アレが好きこれが好きと、素直に意見を言って楽しんでいた。で、さすがに今となっては、抵抗なく色々な曲を耳にするものの、新たな分野で気に入る音楽というものは出てこないだろうと勝手に思っていた。まあ偏見なのかもしれませんね。
 そう、何でこんな話題を出しているのかと言えば。
 娘の私にとっては「QUEENにちょっとハマっている。」なんていう衝撃的な告白。―を、母から受けると思わなかったからだ。
 いや、このカテゴリー「音楽と私」の最初の方にも書いたように、QUEENは面白いと思っている。今でも時々聴く。ボーカルはもちろん、ギターも相当強烈な個性がある。
 しかしですね、クラシック本格的にやってた人が60過ぎて急に「QUEENは良いね。面白いね。」と何度も聴くもんですかね。いや、素晴らしいと言ってるのだ。私もそんな風に、孫ができるような年齢になっても、新しい曲を聴いて「へぇ!良いねぇ!」と思えるような柔軟な感性を持ちたい。器の広さを持ちたい。若い人たちの曲は……なんて思わずに、自分の信念に固執せずに。それは多分生活そのものを楽しむことにもつながるのではないだろうか。私もそんな風になれるかな。
 ちなみに私は‘GOOD OLD FASHIONED LOVER BOY’と‘DON’T STOP ME NOW ’が特に大好きですよ〜お母さ〜ん。