子供が少し大きくなって、この前の冬から、本格的に雪遊びができるようになってきた。
 1歳まで札幌にいた頃、冬は、一面の白さに圧倒されるのか、雪をとても怖がって、しがみついていた。折角公園行っても、抱っこで終わってしまったり。でも2歳には、短い坂のソリを楽しめるようになり、3歳では、長い坂のソリ滑りもお父さんと一緒なら滑れるようになってきた。4歳になると、一人で滑れるようになったし、雪合戦も好きになった。
 そして雪だるま。
 こんなところで、自分が帰国子女であることを実感するとは思わなかった。
 夏休みの時期に、夫の故郷、札幌に行くので、年末年始は、私の実家の宝塚に行くことが多いのだが、この前の年末年始は色々事情が重なって、札幌に行くことになった。
 札幌の雪は、相当降るし積もるのだが、気温が低いので、サラサラだ。息子は、公園の遊具に数十センチ積もっている雪を、犬が雪かきするみたいに、ババババ!!とかいて大笑いしていた。そして雪だるまを作ろうとしたのだが、これがなかなかうまくいかない。気温が低くて水分が少ないせいか、固まらないのだ。
 今住んでいる所は、割合雪が降るのだが、根雪にはならない。時々ドカ雪が降るので、数日積もりっぱなしのことはある。子供たちは大喜びだ。
 幼稚園バスから降りてくると、お友達と一緒にひとしきり雪合戦をして「バイバイ」。その後も、まだ我が息子は雪遊びに興じたがる。大人は子供ほど運動量がなく寒いので、そろそろ帰ろうと促すのだが、その日は雪だるまを一緒に作ることにした。
 息子は、数日前の休日に、夫と作った雪だるまを作ったので「こうやるんだよ!」と張り切っている。私が大きな玉を一つ。息子が小さな玉を一つ。……さらにもう一つを乗せて完成!!……えっ?!ここでもう気づいた人はいるかな。
 満足してウチに帰ったら、その夜、夫に指摘された。日本の雪だるまの玉は2つなのだと。偶然、その日の夜のテレビ番組で、雪だるまの話がクイズに出されており、アメリカの雪だるまが3つ玉を重ねることを知り、ああ!だから我が妻は丸いのを3つ重ねて雪だるまだと満足していたのか!と知ったそうで、それを私に話してきた。
 ナヌ?!2つの雪だるまがあることは知っていたけど、3つってそんなに馴染みがないものなの?!一番上は頭、二番目は胴体、ボタンなんかを付けたりするよね?アレ??知らない??三番目は足の辺り。「昆虫みたいだね」と夫に笑われた。確かに。頭、胸、腹?アハハ。しかし、こんな時に帰国子女要素が出てくるのね。
 帰国子女って理屈じゃないんです。意識とか考え方とか文化とか習慣。悲しいこともあるんですよ。少しずつ書けたら良いけど、一度本にして書いているから、ここに書くなら、プラス何か別のことを書きたいんで、そんなにネタがあるかな……。
 息子が4歳になって、私が物心ついた頃と重なってきた。当時の私はアメリカ暮らしだ。英語を理解していたし、ピアノも弾けるようになり始めていた。母の真似事をするのも大好きだった。色々意識し始めるその頃って、印象が強い。息子もここの土地に執着を感じるのだろうか。どんなことが記憶に残っていくのだろうとちょっと楽しみに感じる。