そして息子の弁当。冷凍食品に頼ることもある。前夜の残り物も多い。ダンナの弁当は茶色づくしになることがよくあるので(笑)、せめて弁当全体が茶色っぽくならないようにだけ気を配っている。ほんの少し華やかにするためにね〜。
 こんな可愛げのない弁当なのに、冷えた弁当はさらに美味しく感じなかろう、給食の方が美味しくて好きだろう、などと思いながらいつも弁当を詰めていた。まあ彩りが何とか見れるものなら良いやと、ちょっぴり言い聞かせてみたりしながら。
 それでも園内でたくさん遊んで、ものすごくお腹が空くのか、いつも弁当箱は空になっている。こんなものでも食べたくなるほど、いっぱい遊んでお腹が空くのねぇ。と思っていた。
 そして先日のこと。お友達のお母さんと、我が息子の豪快な食べっぷり、かつ旺盛な食欲について話題になった。
 「ウチの子がね、『ミツくんお弁当食べる時‘おいしいね、おいしいね’って一人で言いながら食べてるんだよ。それですぐ食べ終わっちゃうんだよ。』って言ってたよ。」
 と教えてくれた。
 すぐ食べ終わっちゃうのは、幾ら言って聞かせても早食いだし、想像できる。よく噛まないといけないから、誉められたことではないんだけど。……へぇ!おいしいって一人で言って食べてるのかあ!と私は感慨深かった。ウチではお弁当のこと、そんな風に言ったことないのに。

 テレビ好きな私たち夫婦とは違い、息子は必要がないと思えば、テレビは観ない。最近の風潮から、食事中はテレビを消してきちんと向かい合いましょう、ということになっているが、私は以前、食事中も平気でテレビをつけていた。息子が早食い過ぎてちょっと心配だからというのもあったのだが、まあ色々試行錯誤した結果、結局テレビをつけることが多くなってしまっていた。
 兄も夫も赤ん坊の頃からテレビ三昧に育っているし、私もテレビが好き。でも特に何の問題もなく育っているし、食卓の記憶で、いやな気持ちになったことはほとんどない。テレビ観ながらも温かい団欒のひと時だった。だから、別にかまわないじゃないか、という気持ちも本当はある。内緒だけど。だって、どんな専門家に聞いたって、きっと「食事中のテレビはダメ!食事以外でも、見せて2時間まで!」って言うだろうからねぇ。
 しかし、ウチの場合。息子が一人遊びをせずベッタリだったから、何もないとそりゃもう息苦しかったのよ。一時間位、しっかり相手をしたら、少しの間は離れてくれるのが一般の赤ちゃんなのかもしれないが、息子は延々一緒にいたがった。だからテレビでもつけて、時には気を紛らわせてくれという願いもあり。三十分でも良いから!ってね。
 しかし、息子はさほどテレビにのめり込まない。むしろテレビという別の空間が視界に入ることで、私が安心していた気がする。